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【顧客経験マップ】人間の感情のすべて


【マップを作るのは誰か?】

先日紹介した「顧客経験マップ」。その後も引き続き、研究会にて研究・実践しています。よいツールですので、いずれ実務活用、セミナーや書籍化など、発展していければと思います。

今回はその作り方のノウハウについて。

下図のように、どんなできごとがあって何を感じたかを書いていくわけですが(例:「駐車時に、止めるスペースがないかも知れないと不安になる」など)、これの書き手は誰なのでしょうか? それは2パターン考えられます。



1. 実際の顧客へのアンケートやインタビューにより聞き出す
2. スタッフ(社員や店員)が想像で書いていく

後者よりも前者のほうが、より正確なマップが作れるかも知れません。なぜなら、顧客のことは顧客自身に聞くのが最も確かだからです。スタッフによる想像は、どこまでいっても想像でしかないわけです。

ただ、後者にもメリットはあります。まず、顧客に対するアンケートやインタビューのコストがかかりません。また、「顧客の立場で考える」という点で、マップ作りがそのまま教育につながります。顧客の気持ちに対する想像力を持ったスタッフが増えることは間違いなく好ましいことでしょう。また、現場改善への参画意識を持たせることもできます。


【「感情」から逆算して改善点を見つける】

では、マップの作成をスタッフにやってもらうとして、どうすればより顧客の立場に近い発想を出すことができるか。

1つ思いついたのは「感情」から考えていくという方法です。あらゆる顧客体験は「現象」と「感情」がセットになっています。先ほどの例で言えば「駐車場が狭い」という現象があって、「止める場所がないかも」という不安がついてくるわけです。

多くの場合、アイディア出しは「現象」から行います。「駐車場が狭い」「料理が出てくるのが遅い」といった現象をとらえて、「だから不安に思うはずだ」「だからイライラするはずだ」と感情を考えていきます。

それを逆のベクトルで「感情」から考えていくわけです。すなわち

・来店客がマクドナルドの店内で「不安」に思うことはないか?
・来店客がマクドナルドの店内で「イライラ」することはないか?

などのように質問を投げかけていくわけです。トンネルを掘るときに一方からではなく両側から掘ったほうが早いのに似て、こういったアプローチによってアイディアはより出やすくなると考えます。


【「感情リスト」を作ってモレ防止】

こう話すと、1つ疑問が出てくるはずです。上記のような質問は、いったいいくつ考えられるのでしょうか。つまり「不安」「イライラ」といった人間の感情は何種類あるのか、ということです。

とても大きく、難しい問題のように思えますが、顧客経験マップをちゃんと作りたいのであれば、各自なりの「感情リスト」を作っておく必要がありそうです。完全なものは作れないかも知れませんが、「最低限この観点からはチェックしよう」というリストがあることで、より漏れを減らせるはずです。

以下に、感情をフレームワーク化するための参考情報をご紹介します。

■Plutchik(プルチック)の「感情の輪」

詳細は省きますが、8つの基本感情と、2点の組み合わせからなる8つの応用感情から成り立つ体系となっています。


クリックで拡大

参考までに日本語訳したものはこちら。(http://nanaguruma.blog64.fc2.com/blog-entry-39.html より)


■Ekman(エクマン)による感情の分類

→幸福感、驚き、恐れ、悲しみ、怒り、嫌悪

※後になって以下を追加
→楽しさ、軽蔑、満足、困惑、興奮、罪の意識、功績に基づく自負心、安心、満足感、喜び、罪悪感

(wikipediaより)

非常に深い世界ですので、調べればまだまだこういった理論や研究はあるかも知れません。改善のネタがより見つかるマップを作るためにに、参考にしてみて下さい。

100人集客した私の方法


先日開催した「神プレゼン!」についてのメモ。

この企画には100名超の診断士が集まりました。研究会の会員数がもともと多いとはいえ、平日の夜に診断士が100名集まったという記録は、全国探してもそうそうないと思われます。

毎回の参加人数は40-50名程度ですので、それなりのマーケティングをしなければ100名は集まりません。僕もいろいろと知恵を絞りました。下記に、具体的にどんなことをやったかを3つほど記しておきたいと思います。参考になれば幸いです。


(1)タイトルを考え抜く

やはりタイトルは大切です。テーマがプレゼンだから「プレゼンテーション講座」と銘打っても、ありきたりで人を惹きつけることはできません。そこで今回、僕は以下の条件を満たすタイトルを考え出すことにしました。

・インパクトがあること
・内容を一言で的確に表したものであること
・流行の要素を採り入れていること
・口コミされやすいこと

その結果が「神プレゼン!」です。「神」という言葉は近年ネットで強調語として使われているし、AKBも「神7」などのように使っています。また、今回の内容(「(スティーブジョブスなど)プレゼンの神様に学ぶノウハウ」)を一言で表していますし、短いタイトルなので研究会会員の間でもよく口コミされたようです。

もっとも、このタイトルが多くの方に誤解され、「発表者(僕)=プレゼンの神様」「神様のプレゼンが聞けるらしいぞ」と期待値をかなり高めてしまったことは否めませんが…もちろんそれも作戦でした。「期待値を高めて多人数を集客し、がんばって高い品質を提供する」という正攻法なチャレンジも仕掛けていたわけです。


(2)視覚に訴え「おもしろそう!」と思わせる

Facebookなどでの事前告知は当然2,3回行いましたが、ここで当日の内容のティーザー(チラ見せ)を行いました(下図)。文字が極端に少なく視覚に訴えるスライド(「プレゼンテーションzen」方式)なので、ある程度のワクワク感は与えられたかなと思います。
 
一般にセミナーなどの集客では文字情報が中心ですが、このように一部を見せ視覚的に訴える方法は効果がありそうです。




(3)出席するうえでの「障害」を取り除く

出席できない方には当然、なにかしらの理由があります。「興味がないから」「先約があるから」…と、なかなか動かしがたい理由もありますが、「何が障害になっているか」を考え、それが取り除けるものであれば取り除く知恵が必要だと考えます。

今回は平日19時の開催ということもあり、残業などの理由により前半を聞くことができないという方が多いのではないかと考えました。そして、最初が聞けないとその後がついていけなくなるから「じゃあ、全部行かない」と多くの方は考えるものです。

そこで、今回は「途中から聞いても内容が理解できる」ことをアピールしました。プレゼンのノウハウを13個、独立性を持って語ること、前半を聞いていなくても後半をそれなりに理解することができるようにしました。(ゴルゴ13のように、1話1話で完結するマンガのような感じです)

複数の方から「それを聞いて来ることにした」という声を聞いており、このアイディアは効果があったのだなと思っています。


以上、3点のノウハウを紹介しました。もちろん、これがすべてでなく、他にも自分が無意識にやっていたノウハウがあると思います。また、これらの方法が効果があったかも分かりません。実は他のところに集客できた理由があったのかも知れません。また、チームメンバーが知り合いに声をかけてくれて、それで来てくれたという方もいると思います。

ただ、診断士である以上、こういった「マーケティング発想」は必要だと思うのです。努力と根性の営業だけでない、知恵を使った集客。人の商売を支援する仕事である以上、自分で率先してマーケティングを実践する、そういう姿勢。

今回はビジネスではありませんが、「伝えることで人の心を動かす」というマーケティングの本質は共通しています。こういった機会を見出し実践していくことで、マーケティングのセンスは磨かれていくと考えています。

少しでも参考になればと思い、紹介させていただきました。

読むとアタマがよくなる(かも)! あなたの思考回路をクロックアップする漫画6作品


試験勉強をしていると疲れてくるから息抜きしたい。でもマンガやゲームに長時間没頭してしまうのもこわい。

そんな方は、以下のようなマンガを息抜きに読んでみるとよいかも知れません。

いずれも心理的なかけひきや行動の読み合いに満ちた「頭脳バトルマンガ」です。なので、仮に没頭してしまっても、思考力にはプラスの効果があるかも知れません(?)。


■まずは有名どころで「ライアーゲーム」と「デスノート」。どちらも映画やドラマ化されてヒットしただけあって、良質な原作です。特にライアーゲームはドラマや映画もオススメ。複雑なルールも図解で分かりやすく説明されるし、フクナガなどのキャラが秀逸。






■「ライアーゲーム」の作者による「ワンナウツ」。野球の技術は高くないものの天才的な頭脳を有する主人公がライバルを出し抜いていく異色作。




■「嘘喰い」も天才的なギャンブラーが主人公。設定が非現実的なうえに「そんなの分かるか!」的なイカサマも出てきますが楽しめました。ゴルゴばりにプロフェッショナルに徹する立会人達のキャラも魅力的。ただし暴力描写も多し。




■「沈黙の艦隊」も名作ですね。陸や空に比べてスピード感のない戦いになりがちな「海」なのに、主人公による独創的な戦い方の連続にゾクゾクします。




■最後。福本伸行といえば「カイジ」ですが、ここでは「賭博覇王伝・零」を紹介しておきます。第一部(1〜8巻)は論理パズル的なゲームもあり、読者も読みながら一緒に正解を考えていく余地があります。




もちろん、これらを読んだからすぐにアタマがよくなる…というわけではありません。しかし、

「難問⇒考えるが答えが出ない⇒主人公のアイディア⇒その手があったか!」

と悔しがるまでの一連のプロセスは、積み重ねることで確実に自分の糧になっていくのではないかと考えます(私は試験勉強や仕事において、そのように成長してきたと自覚しています)。

そして、その体験はリアルで重ねていくことがベストですが、こういったマンガでバーチャルに追体験することでも、いくらかは代替できるのではないかと考えています。

また、これらのマンガは当然フィクションであり、我々が(プロ野球とか海戦とか)作品と同じシチュエーションに出会うことはまずありません。しかし、彼らの問題解決プロセスを抽象化したり、他の状況におけるヒントとすることで自分の人生に活かすことはできるのではないかと考えています。

また、なにより最大の学びは、「危機的状況においてもあきらめず、なんとか突破口を見出していこうとする執念」なのかも知れません。

「因果」をしっかりと書き、統一感のある文書を作る


今の仕事では、たとえばこんな資料を作っています(当然、守秘義務があるのでアレンジ入れています)。


【業務改善の取り組み一覧】

a.接客マニュアルを整備し、顧客対応の品質を高位平準化(高いレベルで一定化)する。

b.これまで手作業でやっていた○○業務をシステムにより自動化することで時間短縮させる。

c.ミスの多かった××作業について、チェックリストを導入することでやり直しを低減する。





書いたものを上司やお客様に見ていただくと、以下のようなツッコミが返ってくることがあります。

a.品質が上がれば、顧客満足度や売上も上がるんだよね?
b.時間短縮すれば、お客様の待ち時間も減るんだよね?
c.やり直しが減れば、人件費も削減できるんだよね?




これらはすべて「因果の先」が書けていないことに起因するツッコミです。前回の記事を思い出された方もいるかも知れませんが、「、有□有」とつなげていく因果のうち最後のにあたる部分が書ききれていないということです。



もっとも、をわざわざ書かなくても問題にならないケースもあります。たとえば、読み手が頭の中で勝手に補ってくれていうる場合。あるいはまで詳しく書くとまどろっこしいと感じる方もいます。

(たとえば「ミスの多かった××作業について、チェックリストを導入することでやり直しを低減し、人件費を削減する」という一文はちょっとくどいかも知れません)。

そういう場合もあるので、一概にまで書かなければいけない、ということはありません。ただ、読み手や状況を見極めたうえで「きちんとまで書く必要がある」と判断された場合には、下記のようなシートを使っていくと因果の漏れがなくせるのではないかと考えます。



これは、「文を書いたときに、その矢印の先を含めなくてよいのか考える」という使い方をします。

たとえば「システム化により○○業務にかかる時間を削減する」と表現した場合、それが接客業務であればお客様の待ち時間が減り満足度向上につながる可能性があります。そういったことを書かなくてよいのかチェックしていくわけです。そうすることで「因果の先」が漏れてしまうことが防げると思います。

特に冒頭のようにいくつかの改善策を書き並べる場合には、こういったツールを用いて1つ1つ確認していくことで、全体の統一感が出てきます(統一感がないと読み手に「引っかかり」「違和感」を与え、説明や説得がスムーズにいかなくなります)。


ただし、あくまでも「チェック」であり、必ず矢印の先を書く、というわけではありません。たとえば、給与計算などのようなバックオフィス業務であれば、時間を短縮直接してもお客様の待ち時間に影響はないと考えられます(人件費削減につながる可能性はありますが)。また、品質を上げると時間やコストも上がるケースもあると思います。

また、この図は「改善の視点のすべて」ではありません。たとえば従業員のモチベーション向上といった要素は入っていません。

そのあたりを踏まえ、この手の文章を書く機会がありましたら参考にしてみてください。

【2次試験】「因果」で書けていない人の3類型


診断士試験(2次)の解答は、「因果で書こう」とよく言われます。

では「因果で書けていない」とは具体的にどういう状態なのか。今回はこれを考察してみたいと思います。

「因果」とは、下記のように手段や効果が論理的に繋がっていることです。

(ー蠱福泡諭吻効果1)⇒(8果2)

(仝彊)⇒(結果1)⇒(7覯味押




以下に、因果でつながっている例文を2つ挙げてみます。


○設問:A商店では顧客の離反が増加している。これを解決するための方法を述べよ。

○解答:
 仝従譽好織奪佞悗慮限委譲を推し進めることで
 現場での迅速な判断や柔軟な対応を可能とし、
 8楜卷足度を高める。



○設問:B君がプレゼンで失敗した理由を述べよ。

○解答:
 )榿崛案にコタツで寝たために
 風邪を引いてしまい、
 ベストコンディションで臨むことができなかったため。




場合によっては´↓に続いて「ぁ廖福瓧海通椶慮果や結果)を書くこともあります。ただ、今回は話を単純化するために3要素に留めます。

このように、因果が3つの要素からできているのであれば、このうちいずれかが足りない状態を「因果で書けていない」と表現できると思います。(なお、「コタツで寝たから→虫歯になった」のように、要素が論理的に繋がっていない状態なども考えられますが、ここでは話の対象外とします)

以下に、それぞれが足りないケースを挙げてみます。


■´型(So What型)



 仝従譽好織奪佞悗慮限委譲を推し進めることで
 現場での迅速な判断や柔軟な対応を可能とする。

 )榿崛案にコタツで寝たために
 風邪を引いてしまったため。

 ⇒の結果を最後まで書き切れていないタイプです。そのため「柔軟な現場対応を可能としてどうするの?」「風邪を引いたからどうなの?」…といったように「それで何?(So What?)」とツッコまれてしまいます(言いたいことはある程度伝わってくるので部分点は取れるかも知れませんが)。
 
 また、´△鮟颪い燭薀泪耕椶い辰僂い砲覆辰討靴泙辰拭△箸いΔ里任△譴佇源数を節約する技術を身につける必要がありそうです。


■´7拭箆斥飛躍型)



 仝従譽好織奪佞悗慮限委譲を推し進めることで
 8楜卷足度を高める。

 )榿崛案にコタツで寝たために
 ベストコンディションで臨むことができなかったため。

 ⇒間が抜けているので、論理が飛躍しているように見えるケースです。もっとも、読み手や聴き手に関連知識があれば「あ、コタツで寝たから風邪を引いたんだな」と勝手に脳内で補ってくれます(だから、仕事上ではあまり支障がならないこともあります)。

しかし、試験では減点される恐れがあります(2次試験では数千枚を採点するので、きちんと書けている答案とつい比べてしまうはずです)。


■↓7拭So How型)



 現場での迅速な判断や柔軟な対応を可能とし、
 8楜卷足度を高める。

 風邪を引いてしまい、
 ベストコンディションで臨むことができなかったため。

 ⇒そもそもの具体的手段や理由が書けていません(したがって得点が最も低くなるタイプです)。「それで、どうやるの?」「それでどうやって風邪引いたの?」(How?)というツッコミを受けてしまいます。


「因果で書けていない」とすれば、概ねこのあたりのパターンに分けられるのではないでしょうか。

演習や模試において失点してしまった際に、その解答が「上記の3類型で言えばどれなのか?」を振り返っていく。そして、傾向としては特にどの類型に当てはまることが多いかを把握する。そうすれば、改善点が自ずと見えてくるはずです。

ご自身の弱点発見に、この考え方が参考になれば幸いです。




リーダーシップの本質は「別れ」にあり


年度末。送別会が連続するシーズンです。組織やコミュニティのリーダーを続けているなかで、絶対に避けることができないのは「メンバーとの別れ」です。

社員をこき使って彼ら彼女らがどんどん辞めていくようなブラック企業は論外ですが、どんなに素晴らしい組織であっても組織の方針との食い違いとか相性の違いはどうしても出てくるし、どんなにリーダーと構成員との関係が良好であってもどうしても組織を離れなければならない様々な事情というのは出てきます。



正直、この「別れ」はなかなか慣れるものではありません。長い時間を共にした人、共通体験を持った人から、今後は一緒に続けていけないという話を聞くと、やはり平穏ではいられません。やむを得ない事情があることが明白であったとしても、何か自分のやり方がまずかったのかななどと考えてしまいます。

しかし、そういった痛みは、人の上に立つ仕事を続けている人であれば、多かれ少なかれ背負い続けているものなのかも知れません。

たとえば私の父は36年間中小企業を経営しています。その中で多くの人の入れ替わりがあり、それだけの別離を経験しているはずです(実際、会社と家が近くにあり、自分と社員さんとの交流もあったのでそういった別離は何度も目の当たりにしています)。利益を上げ続けるという(経営者として当然の)重圧に加えて、何十人との別れという重みも背負っているわけです。

また、今日は研究会のリーダークラスが10名ほど集まる会合がありましたが、その場にいた例外なく全員が、そういった重みを背負ってきているはずです。

重いのは自分だけではない。それは、(努力や才能によってある程度減らせるとはいえ)組織やコミュニティをまとめあげる大きなやり甲斐や喜びの対価としては決して避けられないものなのだと思います。

昔どこかで「存在感とは、その人が背負ってきた重さのことである」という言葉を見かけました(ちなみに先日の研究会のプレゼンの最後に「生きざまがプレゼンに出る」と話しましたが、それはこの言葉をヒントにしています)。

今回の話をふまえれば、その言葉は「存在感とは、その人が経験してきた別れのことである」と読み替えることができそうです。そして、リーダーという立場に立つ人はその言葉を支えに、強く耐えていかなければなりません。

仕事で&仕事外で、去りゆく仲間たちの今後の発展をお祈りしています。自分とかかわってきた時間が、少しでも活躍の糧になりますように。



大舞台のプレゼンに臨む前に意識していた3つの原則


先日、自分が所属する研究会においてチームメンバーと一緒に発表を行いました。

テーマは「プレゼンテーションのノウハウ」。ノウハウを語る本人のプレゼンがイマイチだったら説得力ないよねということで、なかなかプレッシャーの強い発表となりました。しかし、仲間とともに丹念に準備・練習したかいあり、出席された多くの方から高い評価をいただきました。

今回は、終了後に多くの方からいただいた質問をふまえ、僕があらかじめ意識していたことを3点ほど述べておきたいと思います。


(1)診断士として「高い理想」を見せる

 複数の方から「お金を払ってもいいと思えた」という感想をいただきました。とても嬉しい感想の1つです。

 報酬ゼロの研究会の発表です。仕事ではありません。だから、手を抜いた発表をしても責められる筋合いはありません。しかし、診断士(特に新人の診断士)が多く集まるこの場は、仕事にも劣らないくらいに重要な場であると考えていました。

 僕が新卒のときの話ですが、非常に優秀なコンサルタントの仕事っぷりを見る機会がありました。そこで「高い理想」を見ていなかったら、自分はもっと低いレベルで満足する人間になっていたと思います。

 それと同じことで、もしこの機会に「最高品質のアウトプット」を見せることができれば、目撃者にとってはそれが「目標」になるのではないか。「診断士はここまでできるんだ」「ここまでを目指さなければいけないんだ」と思わせることができれば、現状におごらない向上心やモチベーションを湧かせることができるのではないか。そのように考えたわけです(実際にそこまでできたかどうか分かりませんが)

 数十人〜100人の診断士に刺激を与え、意識を変える(そして彼ら彼女らの成長や成果につながる)。それは報酬をもらってやる仕事と同じかそれ以上に尊く、責任のあることだと考えます。

 内容作りに2ヶ月、発表練習に1ヶ月。本番2日前には同じ会場を借りてリハーサル。さらにそれを録音して1人で反省会。そこまでやって可能な限り最高のレベルを(特に若手の)診断士に見せたかった裏には、そんな考えがあったわけです。




(2)本当に意味のあることを伝える

 今回は100分間の発表のうち、僕が話した時間が50分ほどありました。そして、そのほとんどを原稿やスライドを見ずに話しました(というかそもそもスライドはシンプルさを追求したため文字はあまり書きませんでした)。

 多くの方から「あれだけの内容をよく忘れずに話せますね」と言われました。それは前述したように「役者モード」になっていたからというのもありますが、なにより大きかったのは「伝えたいことだから、忘れなかった」のだと思います。

 今回話したノウハウやネタは、すべて自分の体験に根ざしているか、あるいは自分の中で深く消化したもの。そして「いい内容だからぜひ知ってほしい」と強く思えるものを選びました。それは、ジャパネットの高田社長が、その商品に徹底的に惚れ込んで魅力を伝えているのに近い感覚かもしれません。だから、自然に熱も入りますし、内容は自然と口をついて出てきます。

 以前も下記の記事で述べましたが、「話す内容を忘れないコツは、心から伝えたい内容を話すこと」だと考えます。逆に、借りものの他人の言葉や、自分で消化し切れていないキレイゴトは、容易に自分から離れていってしまうと考えます。


■プレゼンで「えーと」「あの〜」を言わないための6つの視点
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=690




(3)「役者」モードで壇上に立つ

 今回の企画タイトルには「劇場」という言葉をつけました。理由は、今回は「発表者」ではなくて「舞台役者」としてプレゼンに臨んでみようと考えたからです。

 「役者」はお芝居の中でセリフを忘れたり間違えたりしません。「あのー、えーと」とか言ったりもしません。身体の振る舞いもテキトーではなく、1つ1つに意味があります。そんなところを見習い、「優れた発表者を演じる役者」としての立ち位置で臨んだら素晴らしいプレゼンができるのではないかと考えたわけです。

 もちろん、「自分は役者だ」と念じれば瞬時に上手くいくかというとそうではなく、舞台役者が一生懸命練習をするように、自分もかなりの練習を必要としました。考えてみれば自分は役者の経験が全くなく、100分間の舞台を演じきるのに多大な練習が必要となったのは必然のことでした。また、「ペパチェ」ではなくて「ペパチェが演じる発表者」が本番でしゃべっていたわけですから、普段の私を知る人にとっては多少の違和感を抱かせたかも知れません。

 ただ、それだけに収穫もあったと思います。100分間で「あのー、えーと」を言ったのは数回もありませんでしたし、身振り手振りをある程度意識的に織り交ぜて振る舞うことができました。また、素の自分ではなく「自分の役を演じる」ことに専念していれば緊張もしにくく、メンタル面でも効果があったと思います。

 「役者」として壇上に立てば、それなりの準備を必要とする反面、プレゼンの質に大きな向上が見られると判ったことは大きな発見でした。


以上3点、ご参考になれば幸いです。



【2次試験】「展開」って何? 「あいまい語」が出てきた際の対処法


診断士の2次試験において、「展開」という言葉が出てくることがあります(例:事業展開、商品展開)」。言葉としては誰でも聞いたことはありますが、ではその意味は? と聞かれると、案外返答に詰まります。

それが解答に影響のない部分であればよいのですが、たとえば設問文で「今後A社はどのような事業展開を採用していくべきか」と聞かれた場合には「展開」の定義をきっちり抑えておく必要があります。

なぜなら「聞かれたことに素直に答える」のがこの試験の鉄則ですが、「聞かれたこと」を構成する単語の意味をすべて分かっていない限り素直に答えようがないからです。

「展開」を辞書で引くとこう書いてあります。


1 広くひろげること。また、広くひろがること。「眼下に―する平野」
2 物事をくりひろげること。「大論争を―する」「華麗なる演技が―される」
3 次の段階に進めること。また、次の段階に進むこと。「行き詰まった交渉の―をはかる」「事件は意外な方向に―した」
4(以下略)


「事業展開」であれば1と3を足したニュアンスでしょうか。たとえば「関東だけで事業をやっていたが新たに関西にも進出する」という場合、1のように「ひろげる」イメージもありますし、また、3のように「次の段階に進」んでいるイメージもあります。「商品展開」も「扱う商品の幅を広げる」ニュアンスで使われることが多いと思います。「多店舗展開」も同様です。




このように、試験で出てきた「あいまい語」は、その定義をきちんと抑えておく必要があります(他にも「体制」とか「スタイル」などが出ています)。定義には唯一のものはないかも知れません(たとえば「戦略」は学者によって定義が異なります)。しかし、少なくとも自分ではこうだという定義を持っておくことで、本番で無駄に悩まずに済みます。

⇒参考記事「definition


ただ、いくら過去問を抑えても、今後また新しい言葉が出てくるかもしれません。そういう場合はどう対処したらよいでしょうか。

それは、上記のように「単語+意味」の組み合わせを蓄積していく、あるいはそのための思考を通して「新しい言葉が出てきても自分で定義をなんとか作れる」センスを磨いていくほかないのではないでしょうか。普段からあいまいな言葉に着目し、その定義を真剣に考える習慣を持っておくことで、本試験であいまいな言葉が出てきた際にも落ち着いて対応できるようになると考えます。


以下に、「自分で定義を考える」ためのヒントを提示してみます。

1. 与件文から探す
 ⇒解答に使えそうな箇所を与件文から探し、そこから定義を固めていくアプローチです。たとえば「B社の商品展開について述べよ」と問われて、与件文に「商品Xの後に商品Yを発売…」といった記述があったとすれば「扱う商品を増やしていくことかな?」と仮説が浮かんできます。

2. 漢字から考える
 ⇒たとえば「展開」には「開」という字があります。ここから「開ける⇒ひろげる」と考えていくことはできそうです。また「展」も「展望」の「展」なので「広く(見渡す)」ニュアンスを感じ取れると思います。

3. その単語を使われる他の場面を考えてみる
 ⇒その言葉が、普段はどのように使われているかを考え、そこから相応しい定義を考えていくアプローチです。

 たとえば「C社は今後、どのような生産体制を採用すべきか」という設問があり「体制」の意味が良く分からなかったとします。
 
 そこで、普段の生活や仕事で「体制」をどのように使っているかなと考えます。たとえば私はシステム開発で「体制図」というものを作り、そこには各メンバーの権限や役割分担が記載していました。なので、「体制=権限関係や役割分担のこと」ではないかと考えていけるわけです。
 
 そして、その定義が他の例でも当てはまるかを検証します。たとえば「55年体制」という言葉がありますが、自民党が与党としての「役割」を担っていた状況を示しますので、「役割分担」という定義で大体合っているなと判断できます(もちろん、最後に辞書を引いて正確な定義を確認することが望ましいです)。


ただし、試験の時間は限られているので、単語1つの意味を考えるのに何分も使うことはできません。上記のような思考プロセスをごく短時間で行っていく必要があります。

そのためには、試験勉強の時間だけ意識しても足りないと考えます。試験勉強と生活や仕事を分け隔てることなく、普段から「言葉の定義を考える習慣」を身に着けておくこと。それによって、試験での瞬発力は養われると考えます(いつも主張している「つま先立ち」の考え方です)。


では最後に練習問題を。ある組織事例で「X社の状況を考慮に入れて」と問われた設問がありました。

では「状況」の定義はどのようなものでしょうか?

上記1,2,3の考え方で定義を作ってみてください。

1. 与件文に「X社の状況」に当てはまりそうな記述があるか?
2. 「状況」を漢字の観点から読み解くと?
3. 他に「状況」が使われる場面は?


「診断士暗記術」最新版が発売 & 暗記ノウハウ系記事まとめ


献本をいただいたのでご紹介。1次試験対策で毎年恒例のアレです。

<2013年版秘伝! 診断士1次試験ゴロ合わせ合格術>

(画像クリックでAmazonへ)


今回は以下のような構成になっているそうです。

>今年のコンセプトは、過去問を徹底的に分析し、
>過去10年間の試験で3回以上出題されている箇所のみを
>ゴロ合わせにしました。

◆秘伝!診断士暗記術
http://shindan.cocolog-nifty.com/


診断士試験における過去問の重要性は言うまでもないですし、1次試験で出た知識が2次試験で絡んでくることもありますので、これはありがたいですね。


あわせて、これまでに当ブログで書いてきた「暗記」関連の記事、およびネットで見かけた参考記事を紹介しておきます。

「語呂合わせ」もそうですが、単に力ずく時間ずくで暗記するのではなく、考え方や工夫次第でその効率は高められるのだということがお分かりいただけると思います。


■暗闇の中で諳(そら)んじられる知識はホンモノだ
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=919

■試験勉強を効率化する「スペースド・リハーサル」学習法
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=1001

■1次試験への心構えを知るための9つの記事
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=798

■理想の1次試験学習法
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=717


□15秒で訓練なしにできる記憶力を倍増させる方法 −読書猿
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-494.html

□(保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ −読書猿
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-518.html

□記憶力ハック・TOP10 −Lifehacker
http://www.lifehacker.jp/2008/09/memorytop10.html


※おまけ:自分の結婚式にて。「KEN46と共演した数少ない診断士」であることが私の自慢です(笑)。




コンサルタントが経営者にインパクトを与える、「Xチャート」の作り方


はじめに、このグラフをご覧ください。


(クリックで拡大。以下のグラフも同様)

右側の軸がある企業(架空です)における社員数の推移です。そして左側が同企業の社員一人当たり売上高です。年々社員数が上がっていて順調そうなのに、それに見合った売上が出ておらず、生産性が下がっていることが分かります。

このグラフは、右側の軸を「社員一人当たり売上高」にしたところがポイントです。単に「売上高」にすると、下記のようにどちらもなんとなく右肩上がりになり、発見のないグラフになってしまいます。



このように、伸びている軸と下がっている軸が重なって「X」の字に見えるので、この手のグラフを「Xチャート」と呼ぶことにします。

別の例を挙げます。「成長率の下がっている事業なのに投資をしてしまっている」ケース。



あるいは「来店客が多い店なのに、スタッフが配置されていない」ケース。




企業が何らかの問題をはらんでいる場合、こういった「X」の形が浮き上がってくることがあります。逆に、社員数とともに生産性も上がっているとか、成長事業ほど投資しているといったように、望ましい状態においては「X」にならないわけです(2つのグラフはほぼ重なるはず)。

コンサルタントの仕事の1つは「問題発見」といわれますが、問題があることを顧客企業に気づいていただくうえでは、こういうXチャートで提示することが1つの有効な手段になります。

そういえば以前、こんな記事を書いたことがあります。

■「かみ合わない」を見つけよう(前編・後編)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=913
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=914

「問題」というのは言ってみれば2つ(以上)の要素が不整合を起こしている状態とも言い換えられるわけで、Xチャートはそれを「見える化」したものと言えます。

「やることがかみ合っていません」と伝えるわけで、実際にグラフもかみ合っていないのだから、先方に与えるインパクトは大きいものとなります。実際、プレゼンをしていてこの手のページになると議論が活発化したり、後で「印象に残った」とか「危機感を持った」と言われるケースがよくあります。

3つほど例を挙げましたが、考えれば切り口はまだ出てくると思います。提案書や報告書を作るうえではこういった「Xチャート」として見せられないか、ぜひご一考ください。

■補足:Excel で縦軸が左右にある 2 軸グラフを作成するには?
http://support.microsoft.com/kb/954219/ja

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