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「遊び心」に定評のあるMINIのプロモーション戦略


ゆるキャラの中でもひときわ人気・話題性のある「くまもん」。ついに海外に進出し、自動車のMINIとコラボして「くまもん MINI」を発表しました。

■「くまモンMINI」もらったモン 英の自動車工場訪問
http://www.asahi.com/national/update/0712/TKY201307120068.html



斬新な組み合わせですが、これに限らずMINIは以前から次々とユニークなプロモーションを打ち出しています。MINIというクルマは高性能志向でもなく高級志向でもありません。その独特なデザインや世界観によって「感性重視」な顧客層をターゲットにしています。だからこそ、プロモーションもクリエイティブなものが多いのだと思われます。

今回はその事例をいくつか紹介してみたいと思います。




まず、"FAN THE FLAME"。坂道にMINIを設置しロープでつなぐ→ユーザーが「いいね!」すると数秒間炎が出る→ロープを焼き切ってMINIを動かした人が実車を入手できる、というゲーム的な企画です。Facebookの特徴を最大限に活かした手法といえます。

■FAN THE FLAME
http://designwork-s.com/article/248117711.html






また、ロンドンオリンピックではMINIのラジコンを用意して(ヤリ投げのヤリを運ぶなど)フィールドで活躍させています。

■五輪公式スポンサーBMW、「MINI」のミニサイズを使った遊び心溢れる“フィールドPR”
http://adgang.jp/2012/08/19640.html






国内では、スマートフォン(GPS)を活用した企画がありました。ゲーミフィケーションの要素を採り入れ、仮想上のMINIを鬼ごっこの要領で奪い合うというものです。こちらも優勝者には実車が贈られました。

■BMW、位置情報によるMINIクーペ奪い合いキャンペーンを実施
http://media.looops.net/kensuke/2011/12/12/minihanting/



なお、この企画は複数の広告賞を受賞しています。

■BMW Japan Corp. 「MINI Coupeハンティング大作戦」が第11回モバイル広告大賞 グランプリ 他2賞、第65回広告電通賞 インターネット広告電通賞 モバイル・コミュニケーション部門最優秀賞を獲得
http://www.dentsu-em1.co.jp/topics/topics-008




また、最近は参入企業も多い「エイプリルフール広告」ですが、当然MINIも参加しています。まず「(空を飛べる)ウィングオプションの販売」。

■MINI、エイプリル・フール限定で「ジョン・クーパー・ワークス」用の翼
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130401_594017.html


(クリックで拡大)

また、ディアゴスティーニの要領で毎週部品を集めていく「週刊MINI」という企画。

■BMW、MINIブランド作成の広告『週刊MINI 4月1日創刊!!』が第4回 読者が選ぶ東京新聞広告賞 部門賞を受賞
http://autoc-one.jp/news/1410162/


(クリックで拡大)




そして、これらのプロモーションが販売を後押しし、MINIは2012年には国内で過去最高の売上を記録しました。

■「MINI ブランドは、2002年からの MINIビジネス開始より、昨年で記念すべき10周年を迎えたが、その記念すべき年に、過去最高の販売台数を記録した」(BMW社プレスリリースより)
http://news.bmw.co.jp/press/2013/01/10.html


当ブログでもたびたび紹介してきましたが、ダニエル・ピンク氏は著書「ハイ・コンセプト」において、これからの時代は「遊び心」が重要になってくると指摘しています。

そして、では遊び心の事例として具体的にどのようなものがあるのか?と考えたときに、MINIの取り組みはとても先進的であるし、今後も着目すべきものであると考えます。

マクドナルド低迷の本質的な原因


今年6月にようやく改善の兆しが見えたものの、結局マクドナルドの売上げは13ヶ月連続で前年割れとなりました。

■マクドナルド売上高、14カ月ぶり増 低価格商品拡充で
http://www.asahi.com/business/update/0610/TKY201306100425.html

大西宏氏「マクドナルド一人負けの理由〜敵は外ではなく内だというのが相場」によると、モスバーガーは売上げを維持していますので、業界全体として低迷しているわけではなさそうです。




その原因は新商品の不発、価格戦略の失敗…などといろいろ言われていますが、それらの根底には「顧客経験」発想の欠如、があるのではないかと僕は考えています。

過去の投稿でも顧客経験の考え方をご紹介してきましたが、これは、下図のように一連の流れ=「線」の発想でサービスを考えていくものです。どこか1ヶ所がすばらしかったとしても、他で失敗すれば台無しになりえます。



一方で、マクドナルドの取り組みの多くは「点」の発想であり、近視眼的です。

たとえば「商品を60秒で提供する」というキャンペーンを打ち出したことがあります。迅速なサービス自体はありがたいのですが、そのために商品の見栄えが悪くなってtwitter上で拡散してしまいました。このようにピンポイントな改善に着目しすぎ、後工程にまで想像が及ばなかったわけです。

■【やはり無理があった】マクドナルドの「ENJOY!60秒サービス」が酷い
http://togetter.com/li/433935



また、昨年10月には注文時の対応時間削減のため、メニューを見せないようオペレーションを変えました。そもそも意味がよく分からない策でしたが、買いたかった商品が見当たらずに店員への質問が増える、視力の低い人が困る、といったマイナス作用もあったようです。このように顧客の立場で発想するスキルの低さも、マクドナルドの特徴です。

■マクドナルド、カウンターのメニューが消えた理由
狙いは顧客満足向上、広がる戸惑いの声

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31011_R31C12A0000000/

また、最近では「1000円バーガー」が発表されました。数量限定とのことなので成功するにしても失敗するにしても直接の大きなインパクトはないのかも知れませんが、私はマックに「1000円分の価値」が提供できるのか疑問です。「1000円分の味」は提供できるかもしれませんが、「1000円分のexperience(経験)」は提供できないと思うからです。



セットでは1200円ほどするようですが、もし銀座あたりで1200円のランチを食べれば、それなりに洒落た店内で丁寧な接客が受けられます(ハズレの店もありますが)。また、ホテルのラウンジで1000円のコーヒーを飲めば柔らかいソファに座れて丁寧に接客されてくつろげます。

このように、顧客は商品だけではなく、それをとりまく前後周囲の環境をふまえて商品の価値を期待したり評価したりしています。いくらハンバーガーの味がよかったとしても、低価格高効率のオペレーションに慣れきったマックの店員と店舗にそれらと同等の経験を提供するのはまず不可能です。

このように、「近視眼的で、トータルの顧客経験として設計できていない」「顧客視点で考えるスキルや習慣がない」ことが、マクドナルド社の本質的な問題ではないかとの仮説を持っています。過去のニュースやインタビュー記事を見ても、「新商品」「値下げ」「無料プレゼント」といった言葉が多く、「顧客(視点で考える)」といった言葉が出てくる回数が、他企業に比べてもやたら少ないのです。

(最近は減りましたが)マックの内装が「赤」を基調にしているのは「落ち着きのない色にして回転率を上げるため」という話を聞いたことがありますが、そのようにマックは「客をいかに捌くか」「買わせるか」をひたすらに考えてきた会社であり、そのような歴史的文脈ゆえに「いかに喜ばせるか」「感動させるか」を考えるスキルを組織的に培ってこなかったのかもしれません。



今日掲載されたこちらの記事。今回も突っ込みどころが多いのですが、それはともかくとして原田社長は「(レストランは)ピープルビジネス」という言葉を使っています。それであれば、「顧客」というピープルにもぜひ着目していただきたいところです。

■「今回の業績不振は“計算済み”」マック原田CEO、これまでの誤算と未来を語る(上)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130627/250314/

5Sの「躾(しつけ)」は現場からの反感を買う言葉ではないだろうか


ふとそんなことを考えました。

5S=整理、整頓、清掃、清潔、躾



ですが、最初の4つはいいとして最後の「躾(しつけ)」。

もし自分が製造業や小売業の現場で働いていたとして、経営者や上司から「社員をしつける」と言われたら「自分達を子ども扱いするのか?」といったように反感を持つのではないかとふと思いました。

辞書で「しつけ」を引くと

「礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと。また、その礼儀作法。」

などとあります。よって、この言葉は子どもに限ったものではないのかも知れません。しかし、「子どものしつけがなってない」といった会話はよく耳にしますし、「子ども」を連想してもまったくおかしくない言葉です。さらには「ペットをしつける」なんて言い方もしますし。



「しつけ」そのものは現場管理に不可欠です。ただ、その言葉の響きだけは、当事者からの無言の反感を呼ぶリスクがあるのでは? と思うのです。

Wikipedia で「5S」を調べると「しつけ(習慣化の場合もある)」という記述があります。現場に5Sを導入・定着させたいのであれば、「習慣化」を使ったほうが抵抗は受けにくいのかも知れません。

また、5Sに限らず、「たとえ正論でもそのままでは導入できないこともある」「反感や抵抗を受けない定着方法を考える必要がある」といったコンサルティング上の教訓も、ここから得られると思います。


「非論理的な職場」でよく耳にする「6つの口癖」


僕はときどき「ロジカルシンキング(論理的思考)」のセミナーをやらせていただいています。言い換えれば、「非ロジカル」な人や組織に対して「ロジカル」さを浸透させていくわけですが、では「非ロジカル」とはどういう状態なのでしょうか。

1つヒントを示しておくと、「非ロジカル」な職場にて共通して交わされる言葉があります。いくつか紹介してみます。

(1)「けしからん」
 →例:「会長が長年育ててきた事業を撤退するなんて、けしからん!」

(2)「困る」
 →例:「君が会議に出てくれないと困るんだよね〜」

(3)「時期尚早」
 →例:「君の考えた企画は時期尚早だよ」

(4)「微妙」
 →例:「君の企画、ちょっと微妙なんだよね」

ほかにも、

(5)「気に入らん」
(6)「ダメなものはダメ」

などなど…

これらに共通しているのは「ロジック」がないことです。本来ロジックを盛り込むべきところが、すべてこれらの言葉でごまかされているのです。そこに違和感を覚える社員はいるものの、声の大きさや勢いで押し通され、かくして(「会長が育てた事業が赤字だけど存続させる」といった)非合理的な意思決定がなされるわけです。

もし皆さんの職場で、上記のような言葉をよく聞くようであればご注意ください。

最後に恐縮ながら宣伝 m(_ _)m  ロジカルシンキングに興味をもたれた方、職場にロジカルさを根付かせたい方はぜひこちらまで↓
http://kokucheese.com/event/index/95970/




世界一受けたい「ロジカルシンキング(論理的思考術)」の授業 & 懇親会(7/13(土))
〜元外資系コンサルタントが教える、品質とスピードを倍増させる仕事術〜

一見難解そうな「ロジカルシンキング(論理的思考)」について、外資系経営コンサルティング会社出身の講師が分かりやすくお話します。

「ロジカルシンキングってつまりなに?」「なぜ必要なの?」「仕事で役に立つの?」といった疑問にお答えする形で進めていきます。一方で、その具体的な身につけ方や、実際の仕事での使いこなし方についてご紹介します。

また、セミナー後にホームパーティー形式の交流会(希望者のみ)を開催します。ご友人をお誘いのうえ、お早めにお申込みください。

●セミナー内容の予定
.蹈献ルシンキングって何?
△覆蕊要なの?
どのように使えるの?(事例)
い匹Δ垢譴仗箸砲弔の?
ゥ肇譟璽縫鵐絢汰! 


●参加特典「30分で分かるロジカルシンキング」動画プレゼント
参加された方には、セミナーの内容を30分ほどのエッセンスにまとめた動画(youtube)を差し上げます。復習・定着にぜひお役立てください。

詳しくは↓こちらから。
http://kokucheese.com/event/index/95970/


変化球だけど品質も兼ね備えた新商品が増えてきた件


というわけで話題ののぺヤングタラコ味を食べてみたのですが…



焼きそばというよりもタラコスパゲティに近いですが、意外と美味しかったです。

そして、ぺヤングは「和風焼き蕎麦」味というのも発売しており、こちらもそのインパクトからあちこちで口コミされていましたが、味もなかなかでした。このように、ペヤングは「珍しさ」と「品質」を両立させているわけです。

そういえば、ガリガリ君のコーンポタージュ味も発表時は反響がありましたが、「食べてみると意外と美味しい」と評判でした。



一方で、セブンイレブンのカルボナーラやつけ麺などの冷凍食品が非常に美味しいと話題ですが、こちらは奇をてらわない直球商品と言えます。

■安くて美味しい「セブンイレブン 冷凍食品」の評判まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2134923418880915301

こう考えると「直球/変化球」および「品質(味)」のマトリックスが作れます。「変化球で品質が低い」代表格としては、シソ味やキュウリ味など一連の変り種ペプシシリーズですね(笑)。まあ、これらは明らかにネタ商品なので「不味い」と本気で怒る消費者はいませんし、プロモーションとしても成功だったと思いますが…。



「直球でマズい」のは私の体験では「松屋のキムカル丼」です。1年ほど前に食べたのですがあまりのマズさに悲しくなりました。よくこれで責任者がOK出したなあと思う味でした。実際、(以下の記事にもあるように)すぐに販売を止めたようです。最近では改良されているそうですが怖くて手が出せません…。

■松屋フーズ:リニューアルした牛カルビメニューを販売終了、消費者の「肉が固い」との声に改善が必要と判断
http://news.livedoor.com/article/detail/6661776/

やはり大切なのは品質ですが、このように「変化球による話題作り」も重視される時代になってきたように感じます。もはや毎年恒例になった「エイプリルフール広告」などもそうですが、ダニエル・ピンクが指摘したように「マジメさ」「一生懸命さ」以上に「遊び心」が求められる時代がやってきているのであり、そこがおもしろくもあり難しくもあります。

商品企画やプロモーションを担当されている方はご参考ください。


関連記事:これからの時代のプロモーションに求められる「遊び心力」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=974

超訳「顧客経験マップの作り方・使い方」(後編)


前回の続きで、「CJ(カスタマージャーニー=顧客経験マップ)の効果的な使い方」についての話です。

CJがテーマではありますが、「関係者の協力の獲得」や「優先順位の付け方」など、顧客経験以外のコンサルティングや社内改革を進める際にも参考になるヒントがちりばめられています。


【第3章 カスタマージャーニーの価値を最大化する3つの視点】

CJを作っただけで燃え尽きてしまうプロジェクトがあるが、もちろんCJを作るだけでは組織や顧客経験は改善されない。以下では、インタビュー内容をもとに効果的なCJの使い方について、3つの視点からベストプラクティスを紹介する。

(1)CJを幅広く共有する

(2)洞察に基づいて改善のアクションをとる

(3)長期的に学習し続ける





(1)CJを幅広く共有する
 全社的な改善に進むためには、CJからの洞察(発見)を社内全体の関係者と共有する必要がある。

改善プロジェクトを通じて関係者を巻き込む

 一般的に企業の役員クラスは、自分が深く関与しているプロジェクトほどそれに賛同する傾向があり、だからこそ企業は意思決定権限を持つ彼らをプロジェクトに積極的に巻き込む必要がある。

 あるコンサルティング会社は「顧客と役員による共同セッション」を開催し、現状および理想のCJについて議論することで関係者を巻き込んでいくべきだと主張している。ある大手消費財メーカーの顧客経験担当役員は、調査結果(悪い結果も含め)を定期的に周囲に共有していくことで、社内がプロジェクトの主張をより受け入れてくれるようになったと報告している。また、検索サービスのQuaero社は、内部の関係者から積極的に意見を収集したり、改善策の優先順位づけについて随時助けを求めたりしている。

改善点だけでなく、「強み」にも焦点を当てる

 CJは改善が必要な領域を特定してくれるるが、一方で悪い指摘ばかり並んでいても関係者には苦痛である。彼らがプロジェクトをより受け入れやすくするために、CJのリーダーは自社の「強み」にも焦点を当てなければならない。
 
 カールソンマーケティング社では、CJ上に自社の優れた領域を示すために青いリボンのアイコンを使うようにしている。また、ある企業では星マークを使っている。自社の顧客経験が改善されるたびに、リボンや星マークが増え、弱みの数が減っていくのを関係者は楽しみながら見ることができるのである。

CJの考え方を企業の文化に適合させる

 多くの企業は顧客経験の観点から自社を評価することに慣れていない。これを受け入れてもらうためには、CJを企業の既存の考え方や慣習と結び付けていく必要がある。たとえばあるコンサルティング会社は、顧客セグメンテーションを重視している企業を支援したことがあるが、その際にセグメンテーションを否定することなく、それを補完する位置づけでペルソナを導入した。同様に、ある大手技術系企業では以前よりNet Promoter(顧客のロイヤルティを測る指標の1つ。下記参照) に力を入れていた。そこで、CJ担当者はNPSの観点から分析結果を位置づけたり、NPSとCJを組み合わせるなどの工夫をした。

顧客データに生命を吹き込む

顧客データやCJに命を吹き込むために、プレゼンテーションを工夫する必要がある。ある企業ではプレゼンに際して、顧客の声を直接に示してインパクトを与えた。具体的には製品を使用中のユーザーの動画や、コールセンターにおける通話記録を用いたのである。また、ある大手ソフトウェア企業では、企業のミーティングに実際の顧客を参加させている。





(2)洞察に基づいて改善のアクションをとる

改善を実現するためにはトップの協力を引き出すことと、改善機会の優先順位づけをしっかりと行うことが求められる。

トップからのサポートを活用する/拡げる

 ヨーロッパの大手通信企業では、マネージャーに顧客と接する時間を増やしたり、顧客視点の指標を用いて業務を測定することをCEOからのトップダウンで指示している。他部門からの抵抗を減らすためにも、こういったレベルのサポートがほしい(ある大手製造業の役員は一部のマネージャーからの抵抗を受け、プロジェクトへの協力要請を断られたことがあると報告している)。

 なお、インタビューにおいては複数の方が、いかにCJが経営者の協力を取り付ける手段として役に立つかを語ってくれた。また、彼らはまずはパイロットプロジェクト(実験的な小規模プロジェクト)からはじめて、プロジェクトの価値を早期に示すことを推奨している。

問題のある「真実の瞬間」を見つける

 たしかにCJは、顧客ニーズを満たせていない領域がどこなのかを教えてくれる。しかし、問題点の羅列だけを見ていても、どれがより改善に値するかが分からない。企業は、より重要性の高い接触の瞬間に着目しなければならない。優先順位をつけるためには、「現在の品質レベル」と「顧客にとっての重要度」の2軸マトリックスによる分析が有効である。その評価についてはさまざまな方法が考えられるが、単純に数名の顧客に(品質と重要度について)点数を付けてもらうのでもよいだろう。




顧客価値/企業価値のもとに改善機会を優先づけする

 前項によって優先度の低い改善点を取り除いても、まだ長い改善点リストは残っているかも知れない。さらに絞り込み、顧客と企業の双方に価値のある改善点を見つけなければならない。価値の基準としては、顧客視点では「不満の軽減度合い」や「待ち時間の削減度合い」が、企業視点では「売上への影響」「コストへの影響」「競合との差別化」などが考えられる。

 ある大手技術系企業では、付加価値、労力、リスク、時間、コスト、複雑さの観点から各プロジェクトを評価している。また、IBMは狩野モデルを用いている。

短期的な成功を収める/早く投資を得るするために分かりやすい指標を使う

 インタビューによると、大手企業ではいくつかのシンプルな改善が、短期に費用に見合った効果をあげることがあるという。あるソフトウェア企業では、インストール説明書を見直すようなちょっとした改善でも効果を上げ、インストールを諦めたユーザーやコールセンターへの問合せが減ったという。

 また、デロイトコンサルティングは、早期にプロジェクトの成果を見せるために「ハード」な指標を使うことを推奨している。たとえば、顧客経験改善プロジェクトでは「顧客の不満の低減」や「固定客化」を目的とするが、そういった「ソフト」な指標はすぐには測定しづらい。一方で、たとえばコールセンターでの「平均通話時間」などはすぐに測定できる。こういった指標が改善されたことを示して、プロジェクトとしての最初の成果をアピールするわけである。





(3)長期的に学習し続ける
CJは、限定的なプロジェクトではなく、継続的な戦略的構想として扱われることで価値が最大化される。以下のような取り組みによってCJを長命化させることができるだろう。

CJの長期的な責任者を任命する

 コンサルティング会社は繰り返しCJ作りを指導するが、コンサルタントが去ったとたんに続かなくなってしまうことがあるという。一方で、ある大手農機メーカーや大手消費者サービス企業では担当者を決め、しっかりと戦略立案プロセスに組み込み、定期的に振り返りを行っている。また、あるヨーロッパの通信企業でも、継続的に行われている「顧客の声」プログラムの中でCJを管理している。

顧客からのフィードバックや組織としての進捗度をモニターし続ける

 CJは定期的にアップデートされ、妥当性を確保し続ける必要がある。いくつかの企業では、CJを「顧客経験データの土台」とみなし、新鮮な顧客からのフィードバックや指標値を継続的にCJに追記している。マルベリーコンサルティングが開発したソフトウェアでは、顧客関連データとCJを関連付けて管理したり、顧客接点ごとに責任者を決めて改善の進捗を管理することができる。


クリックで拡大

【最後に】
企業は「内向き」になりがちであり、顧客にとって何が重要かという視点をつい見失ってしまう。その点、CJは「社内オペレーション」の視点から「顧客経験」の視点へ、議論の枠組みを再設定してくれる素晴らしいツールであり、CJを作る努力をしている多くの企業が報われている理由はそこにある。


以上

超訳「顧客経験マップの作り方・使い方」(前編)


前回に続き「顧客経験マップ」がテーマです。今回は、僕が研究する中で読んだ海外の文献を紹介します。よくまとまっており、マップの具体的な考え方や作り方が分かると思うので、がんばって訳してみました。


(画像クリックで文献へ(PDF))

とはいうものの完全に訳せるほど自分の英語力は高くないので、意味のよく分からない部分は意訳や自分の解釈・修正を入れた「超訳」です。大筋では内容は合っていると思いますが、細部はあまり期待しないでくださいませ。

大きく3つの章からなっており今回は2章まで訳します。なお「カスタマージャーニー」という言葉が使われていますが、顧客経験マップと同義です。

【第1章 企業は顧客をきちんと見ていない】
【第2章 カスタマージャーニーの作成手順】
【第3章 カスタマージャーニーの価値を最大化する3つの視点】




【第1章 企業は顧客をきちんと見ていない】

過去3年間の調査によると、約9割の経営トップが「顧客経験は自社のビジネスにとって非常に重要である」と答えている。しかし、一方で多くの企業において良質な顧客経験は実現していない。

調査の結果、我々は以下の発見をした。

顧客ニーズをふまえずに意思決定をしている
 北米の企業の経営者に対する調査では「ターゲット顧客についての明確なイメージを全社的に共有している」と答えたのは21%しかいなかった。約8割の企業が「顧客ニーズ」ではない別のものを基準に意思決定をしているのである。

従業員を中心において考えている
 改善プロジェクトのメンバーは、自分の感覚を顧客の感覚にあてはめて顧客経験を分析している。結果として、誤った意思決定をしてしまう。残念ながら、内部の社員では典型的な顧客像に代わることはできない。

社内政治が野放しになっている
 大きな組織では、部門横断的な協力の不足が顧客経験改善の障害になっている。意思決定が顧客のためではなく、特定の部門や役員のエゴを満たすために行われてしまう。

多くの企業が良質な顧客経験を提供できていない
 顧客中心の取り組みが足りず、多くの企業が顧客をがっかりさせている。たとえば"Forrester's 2010 Customer
Experience Index"によると、133社のうち「優秀」ランクにいるのはわずか13社。45社が「よくない」「とてもよくない」と評価されている。





【第2章 カスタマージャーニーの作成手順】

第1章のような事態を避けるために、我々はカスタマージャーニー(以下「CJ」)を作り、顧客の立場から企業のサービスを見つめてみることをお薦めしたい。CJは、Forrester社の定義によれば、

「企業との関係を通して、顧客のプロセス/ニーズ/知覚を視覚的に描いた文書」

とのことである。企業がCJをどのように使用しているかを知るため、我々は顧客経験改善を支援する10社の企業と、自社の顧客経験改善に取り組む5人の責任者にインタビューをした。総合すると、CJを作る手順は下記の5つである。

1. 内部情報を収集する
2. 初期仮説を構築する
3. 顧客の経験プロセス/ニーズ/知覚を調査する
4. 調査結果を分析する
5. CJを作成する

(参考)顧客のプロセス/ニーズ/知覚の定義
・プロセス:企業との関係性を作っていくステップ。 それぞれのステップに存在する接点や相互のやりとり。
・ニーズ:やりとりの中で顧客が望むこと。何を達成したいか? どのように扱ってほしいか?
・知覚:やりとりの中で顧客が考えたり感じたりしていること。ニーズは満たされていると感じているか? 顧客はやりとりを十分なもの、価値あるものと感じているか?


1. 内部情報を収集する

 まずすべきことは、すでに有する顧客関連情報の収集である。ただ、データベースや過去の報告書を調べるのも大切だが、重要な洞察(価値ある発見)は「関係者自身」から得られることがある。それゆえ、多くの支援企業はプロジェクト立ち上げにおいては、多様な視点を得るために部門横断的なチームを作っている。これにより顧客像や顧客経験をしっかりと表面化できるほか、顧客データの情報源を漏らさず把握できたり、関係者を早期から巻き込むことができるといったメリットが得られる。

<アウトプット>
・顧客についての社内の情報/データ/洞察
・顧客接点リスト(コールセンターやWebサイトなど、顧客と企業が接する点およびその特徴を整理)
 
参考:あるヨーロッパ企業の顧客接点リスト(クリックで拡大)



<主要タスク>
・社内での顧客(経験)関連情報の収集
・既存の顧客関連データの整理

<留意点>
・幅広い部門やチャネルの関係者を参画させること
・最前線の現場のスタッフを参画させること


2. 初期仮説を構築する

 顧客に対する考え方は、しばしば部門や個人によって異なってくる。このギャップは議論を通してすり合わせをしていくことになるが、一方で顧客経験の担当者は、集めた情報を正確に分析し、総合しなければならない。

 このステップでは、多くの支援企業が内部情報を整理した「暫定版CJ」を作り、現時点での洞察を社内で共有することを薦めている(また、これによりプロジェクトが最終的に作ろうとしているCJのイメージを伝えることができる)。また、これをベースに関係者の議論を促進できるといったメリットもある。

<アウトプット>
・内部情報に基づいて作成した「暫定版CJ」

<主要タスク>
・以下の観点から収集した内部情報の整理:顧客の経験プロセス/ニーズ/知覚、顧客経験についての強み/改善機会、顧客セグメンテーション
・現状の顧客調査における不足点の特定

<留意点>
・関係者が持っている、顧客(経験)についての多様な視点を無視しないこと


3. 顧客の経験ルート、ニーズ、感情を調査する

 企業は顧客について多くのことを知っているつもりでいるが、それはあくまで伝統的な見方によって枠組みされたものである。たとえばデモグラフィック分析を行っている企業では、顧客の年齢層などは分かるかもしれないが、それぞれの顧客の思考や行動までは分からない。

 本当の意味で顧客のプロセス/ニーズ/知覚を知るためには、調査の幅を広げ、顧客視点からの発見が得られる方法も採用すべきである。たとえばデロイトコンサルティングは覆面調査を用いて、内部関係者が見落としている「真実の瞬間」を見定めようとしている。また、他の支援企業ではソーシャルメディアを活用したり、(ユーザーシナリオ法などの)行動観察をベースとした調査を行っている。


<アウトプット>
・顧客調査の調査結果

<主要タスク>
・現状の顧客調査における不足点の解消
・新しい洞察を得るための複数の調査の実施

<留意点>
・(年齢などの)デモグラフィックデータや購買データだけでなく、顧客の生の声や行動観察も重視すること


4. 調査結果を分析する
 内部/外部調査の結果をふまえ、顧客のプロセス/ニーズ/知覚についての発見や気づきを抽出する。しかし、インタビューした多くの企業は、さらに追加の調査を行っている。たとえば顧客接点別の重要度評価や、顧客経験のブランド価値への影響調査である。

 また、ある大手製造業では、商品知識や興味に応じて4種類のペルソナを作っている。既存のデモグラフィック分類と異なり、ペルソナは顧客のニーズを満たす経験を設計する助けになってくれるだろう。

(参考)既存の顧客モデルとペルソナの比較

<既存の顧客モデル>
・データから作られた定量的な存在
・デモグラフィックやサイコグラフィック基準による分析
・購買行動は購買履歴データを基に分析される

(明らかになること)
・顧客の企業にとっての価値
・現在とっている行動
・最適な伝達メディア(新聞、ネット…)

<ペルソナ>
・インタビューや観察から作られた定性的な存在
・行動や好み、不満などについての豊富な物語を有する
・画像、音声、動画を活かして顧客の状況を把握する

(明らかになること)
・意思決定の方法や理由
・(口コミなど)意思決定の文脈
・満たされていないニーズや願望


<アウトプット>
・顧客の経験プロセス/ニーズ/知覚についての洞察
・調査に基づいたペルソナ(顧客像)

<主要タスク>
・顧客について得られたさまざまな洞察の整理
・初期仮説の検証
・ペルソナのデザイン

<留意点>
・アカデミックな分析に陥り迷子にならないこと
・前後関係から意味を持ってくるデータもあるので、単独では意味を成さないからと捨ててしまわないこと


5. CJを作成する
 これまでの分析結果をCJに落とし込む。下記はレゴ社の「経験の車輪」、ある企業の役員がレゴ社のオフィスを訪問した際の旅程を表現している。


(クリックで拡大)

 CJは、それぞれのステップにおける顧客ニーズと、企業がそれをどのように満たしているかを明らかにしなければならない。一方で、CJは他の補足情報を含めることもできる。たとえばある企業では、ペインポイント(顧客が不満を感じている点)や改善点をあわせて表現している。また、ペルソナについてだが、もしペルソナごとにCJの内容が変わってくるようであれば、個別にCJを作ってシンプルさを維持したほうがよい。

<アウトプット>
・CJ

<主要タスク>
・顧客の経験プロセスおよび接点の図解化
・各接点における顧客ニーズの明確化
・各接点において現状の経験がニーズを満たせているかの検討
・各ペルソナから得られた洞察の整理

<留意点>
・細部の議論に陥り過ぎないこと
・他の素晴らしいデザイン事例を見習うこと


【第3章 カスタマージャーニーの価値を最大化する3つの視点】

 …は次回に続きます。

【顧客経験マップ】ナミさん(31)がテニススクールB社を体験


以前紹介した「顧客経験マップ」。実務はもとより診断士試験の学習にも応用できないかなと思い、平成18年のテニススクールB社の事例を基に経験マップを作成してみました。

「ナミさん」というペルソナ(顧客像)を設定し、彼女が経験した流れを追っています。そこから出てくる「感情(喜びや不満など)」は時間の都合上、表現していないのですが、B社が相当に満足度の高い顧客経験を提供できていることが見て取れると思います(マップの中の黄色いセルが、B社独自のサービスが奏功しているポイントです)。



(画像クリックでExcelファイルダウンロード)


実際の試験でもそうでしたが、このB社についてはあまり問題点・改善点が見当たりません。与件には「新規会員が伸び悩んできた」とあるものの、市場の飽和が原因と社長は判断しています。実際に、丹念に調べてみれば「シャワールームが汚れている」とか「リラックスルームの椅子の座り心地が悪い」とか出てくるかもしれませんが、当然与件からは分かりません。

しかし、他の事例について同じようにマップを描いてみたら、いろいろと発見があるのではないかと思っています。本番の80分間でこれを作るのはほぼ不可能ですが、もし頭の中にマップのイメージを瞬時に描けるようになったら改善点発見のための強力な武器になりえます。また、そこまで行かなくとも、普段の勉強の中でこのように分析してみるのも有用かも知れません。


※おまけ:海外サイトでこのような調査結果を見つけました。「顧客経験の改善に強く取り組んでいる企業の76%は競合に比べて業績がよい。一方で、顧客経験の改善に取り組んでいない企業で競合に比べて業績がよいのはわずか19%」だそうです。「顧客経験」の重要性を裏付けるデータになりそうです。


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上司に見込まれるための「代替案を提示する力」


上司から「○○の情報を探してきてほしい」との依頼がよく飛んできます。もちろんそれらの依頼にスムーズに応えられればベストですが、その情報が見つからなかった時にどう動くか、そこが上司からの評価や自分の成長を左右するなあと最近思っています。

仕事の内容は明かせないので多少アレンジして話しますが、たとえば「たしかポルシェがカバンを販売してたはずなんだけど、その情報を探してほしい」と言われたとします。そして、リサーチしたもののどうしてもその情報がなかったとします。(実を言うとポルシェではなく、ポルシェデザインという子会社がカバンを製造・販売してるのですが、ここでは見つからなかったと仮定)




そんな場合に「調べましたが見つかりませんでした」と報告するのは簡単なことです。上司にとっては残念ですが、見つからないものはしょうがない。

でも、諦めたらそこで試合終了です。ここで「なぜ上司はポルシェのカバンの情報がほしいのだろう」「どのように使うのだろう」と考えます。



そして、考えていくとどうも「高級ブランドの多角化事例」を、今度上司が話すセミナーの資料の中に入れたいようだ、と気づいたとします。

そうであるならば、なにもポルシェにこだわる必要はないんじゃないか。たとえばブルガリが銀座にレストランを出店してたよな、それでもいいんじゃないか。そういえばアルマーニもエステをやってたから、それも並べたら情報に厚みが増すんじゃないか…と考えていけるわけです。実際に、私もそう提案して乗り切ったことが何度かあります。



「ハサミがほしい」と言われたときにカッターを持っていれば、普通は「カッターでもよろしいですか」と提案するはずです。「カッターしか持ってないからハサミは貸せません」という人はいないはずです。

それと同じことで、「それを使ってなにをしたいのか」の目的を考えていけば、それを実現する代替案が見つかることがあり、上司に喜ばれるはずです。「探したけど見つかりませんでした」という答えを返す同僚が多い職場であればそれは差別化につながります。

別の例。僕は研究会を主宰していて、当然ながら会員にはなるべく多く出席してほしいと思っています。ただ、いろいろな個別事情があってなかなか出られないケースもあります。

そういう場合に「出席できません。ごめんなさい」と伝えることは当然のマナーなのですが(中にはろくに理由説明もせず来ない方もいますがそれは論外)、プロフェッショナルな診断士ならばそこで「なぜ、リーダーは、なるべく出席してほしいと言っているのだろう」と考えていただきたいところです。

それは当然「研究会を活性化し、研究成果を出していきたい」からです。そうであるならば、(出席できない場合には)その目的にかなった別のアクションをとったらいいのでは、と考えられます。たとえばメーリングリスト上で有益な情報を紹介する、企画を考えて提案する、事務局の仕事を手伝う。いろいろとアイディアはでてきます。お金の絡む仕事が出てきて誰かの協力が必要になった時、そういう動きができる方に私は喜んで依頼したいと思います。


私自身も仕事や診断士活動において、依頼や約束に応えられない場合に「お詫び」だけで済ませてしまうことが正直言ってあります。ですが、可能なかぎりは「その依頼の目的を考える」⇒「目的に合致した代替策を提案する」という手順は踏むようにしたい、それによってできるだけ相手に喜んでもらいたいなあと考えています。

経営理念はシンプルさとユニークさを両立させなければならない


経営理念とかビジョンといった上位概念は、上位概念であるがゆえにシンプルでなければなりません。

長すぎると社員が覚えられず浸透しないし、判断や行動に迷った際の指針・よりどころにするわけですから、細かすぎても役に立ちません。

たとえば「お客様が来店したらきちんと『いらっしゃいませ』と挨拶しましょう」というメッセージは(大切なことではありますが)経営理念にはなりえないのです。それは業務マニュアルの中に書くべきです。


一方で、シンプル・抽象的にすると「他社との違いが分からなくなる」というリスクがあります。たとえば「お客様第一」とか「社会への貢献」という経営理念の会社は多いですが(これも間違ってはいないのですが)、「その会社らしさ」が伝わってきません。ビジネスは差別化が大切だとよく言われますが、この時点で会社自体の差別化につまづいているわけです。

また、抽象的過ぎてもイメージがつきにくく&記憶に残りにくく、これも現場に浸透しません(「お客様第一」を掲げる会社の接客がイマイチだったという経験はいくらでもあります。昔、耐震偽装で問題になった某企業のHPには「顧客志向」と書いてありました)。

したがって、経営理念(などの上位概念)は、シンプルである一方で「その会社らしさ」が分かるユニークさを兼ね備えていなければならないのです。


では、それを上手くやっている企業としてはどんなところがあるか。まずはスタバの「サードプレイス」というコンセプトが挙げられます(もっともこの言葉を最初に考えたのでスタバではなくレイ・オルデンバーグという学者さんとのことですが)。



<ある統計によれば、私たちの年代は、両親の世代より年間100時間以上多く働いているといいます。加えて、携帯電話やメール、ファックスなど、プレッシャーを生み出すものがたくさんある。スターバックスは、そういうものから逃れて休息する場所、オアシス。私たちは店を「サードプレイス」といって、自宅と職場の間というポジションだと考えています。そして、そこで生み出されるのは「コミュニティー」というフィーリング。店を訪れた人同士がつながる、スターバックスはそういう場を提供しているのです>(『スターバックスマニアックス』小学館文庫より)

たった2つの単語なのに、そこにその企業のビジネスや独特の提供価値、存在意義がしっかり表現されている。これが理想の経営理念だと思うのです。


あるいはAppleの"Think Different"も僕は好きです。これもわずか2つの単語ですが、この言葉を聞けばすぐにAppleのことだと分かるし、同社の中の人たちは、この言葉をよりどころにすることで文字通りdifferentな商品を出してきたわけです。



また、ちょっと長いですが、リッツカールトン"We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen"(紳士淑女をおもてなしする私たちも紳士淑女です)も素敵ですね。

スタッフがどんな人間でなければならないか、どう振舞わなければならないかが、ホテルが想定する顧客像とともに、"Ladies and Gentlemen"という言葉で端的に表現されています。




というわけで組織運営(会社に限らず研究会などコミュニティの運営も含みます)においては、「シンプルさ&ユニークさ」を両立したコンセプトを検討してみることをオススメいたします。

ちなみに僕は、こういった例を見習って、TCMにおいて「脳の筋トレジム」というコンセプトを掲げたりしています。

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