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【ユーザーインターフェース論】ATMを使うときに不便な3つの点

僕が某銀行のATMを使うたびにイラッと感じる点が3つあります。

(1)カードを入れるとき
(2)処理を選ぶとき
(3)紙幣を取り出すとき

順を追って挙げてみます。
(※なお以下の内容は近所の支店での話です。他店で新しい端末を導入しているところがあれば改善されているかもしれません。また、後述しますがセブン銀行の端末はだいぶいい感じです)

(1)カードを入れる:「処理を選ばないとカードが入らない」

タッチパネルで「残高照会」などの処理を先に選ばない限り、キャッシュカードの挿入口が閉じられていて入れることができません。

カードを手に持ったままタッチパネルを押すのは(カードで他のボタンを触ってしまう可能性もあるため)個人的にはイヤなのですが、そうはなっていません。

また、Facebookなど多くの(ログインが必要な)サイトでは「ログイン⇒必要な処理」という順に行うのが自然な流れですので、このATMのように「必要な処理⇒ログイン(カード挿入)」という順番にはどうしても抵抗感があります。

カードを後から入れなければならない理由が何かあるのか考えましたが、たとえばセブン銀行のATMは先にカードを入れる仕組みになっているので、その気になれば実現できる機能なのだと思われます。



(2)処理を選ぶ:「操作を間違えたら最初からやりなおし」

「残高照会」を押そうとしてうっかり「引き出し」を押してしまうことがあります。その場合、最初から(カードを入れるところから)やりなおしです。Webブラウザみたいに「1画面(だけ)戻る」みたいなことはできそうなものですが…なぜカードから入れ直さなければならないのか、理解に苦しみます。

なお、こちらはセブン銀行でも同様でしたので、なにか深淵な事情があるのかもしれません。



(3)紙幣を取り出す:「すぐ警告音が鳴る」

現金を引き出して取り出す際、それほど時間がたっていないのに警告音がなります。うっかりとり忘れたのならまだしも、数秒もたついた程度でピロピロピロ!と。宿題をやろうとしているのに「宿題やったの!」と叱りにくる母親のようなうっとおしさです。「取り忘れ事故」をどうしても防ぎたいのはわかりますが、なぜ毎回のように不快な音を聞かなければならないのでしょうか。



なお、セブン銀行では同様に警告音は鳴るものの、耳にやさしい音に設計されていました(不快な音に比べて気づきにくいデメリットはあるかもしれませんが)。また、端末の前に利用者が立っているか、センサーで判断しているそうです。

■参考:「セブン銀行」が目指す人にやさしいユーザーインタフェース - ATMの使いやすさの秘密
http://news.mynavi.jp/articles/2014/11/05/sevenatm/


>ATMの前に顧客がいるかどうかをセンサーで感知し、ATMの前にいる場合は音声再生までのタイマーが延長され、受取りを急かさせることも無くなっている。

以上、3点の不便な点を挙げました。もしかしたら、僕の気づかないメリットがあってそうなっているのかもしれませんが、基本的に某銀行のATMに対してはネガティブな印象のほうが強いです。

このような「操作画面」をUI(User Interface)といい、最近その重要性が高く認識されつつあります。UIにおいて十分な快適さや利便性が考慮されていないと、このように「イラッ」とします。

いずれも苦情を入れるほどではない小さな不満です。しかし、塵も積もれば山となり、全体としてのUX(User Experience=ユーザー経験=利用の結果得られる感情や満足感)を低下させます。

お金を扱う端末である以上、防犯や事故防止が最優先課題であり、操作性や利便性が後回しになるのもやむを得ないのかもしれません。

しかし近年、iPhoneなどのように快適な操作性を誇るUIが増えてきました。iPhoneが国内のガラケーメーカーのシェアをごっそり奪っていったのはご存知のとおりですが、その大きな要因は本体のデザインや機能・性能、iTuneのようなビジネスモデルの素晴らしさだけでなく、豊かなUXにつながる革命的なUIにあると考えています。それまで無駄なボタンや機能が多いガラケーをやむなく使っていたものの、iPhoneの直感的な操作性やよく練られた画面設計に感動したのは私だけではないはずです。快適で思いやりのあるUIに
ユーザーや消費者は感銘し、その企業への好意や支持を高めます。

このように、UI/UXのデザインの良し悪しは企業や戦略の命運を左右するほどの重要性を持ってきていると考えられます。ビジネスの中で何かしらの操作端末を活用している企業、Webサイトを活用している企業、スマホアプリを活用している企業は(つまりほぼすべての企業ですが)、より快適なUI/UXのありかたを研究しノウハウや知識を高めていく。そんなことが不可欠な時代になってきたのかも知れません。

 

【2次試験直前】1000本以上の記事から選び抜いた必読のノウハウ記事8選

中小企業診断士2次試験まで、いよいよあと一週間となりました。

ここでは、当ブログで書いてきた1000本以上の記事から2次試験のノウハウに関連したものを絞り、さらに評判やアクセスの高かったものを選び抜いてみました。

前回、出版をご報告した書籍「待ってろ、診断士!」の中でも回答として用いられている内容もあり、同書の雰囲気もつかんでいただけるかと思います。



※申し訳ございません。記事アップ時点では売り切れのようです。もう少しで入荷するようですので、紀伊國屋など他のサイトもご利用いただけると幸いです。

まずは、特にマーケ事例向けのヒントから。与件文には企業の情報が多く埋め込まれているので、ついその先の顧客のことを忘れがちです。

■「クライアンツ・クライアント」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=385
>コンサルティングの仕事で「クライアンツ・クライアント(Client's Client)」という言葉を使うことがある。コンサルティングの直接の対象であるクライアントの、その先の顧客のことを指す。そのクライアンツ・クライアントのニーズを満たさずして、クライアントの収益は見込めない。
>当然と言えば当然のことである。けれど、与件文には事例企業に関する情報が多く載っているから、ついどうしても「顧客の論理」ではなく「企業の論理」で発想してしまうことが(少なくとも自分には)あった。だから、冒頭の自問自答を行うことで、視界が開けたり、見落としていた点に気づけたりしたと思う。


次は、設問の読み取りについて。「設問の指示に素直に従わない」状態とは、大きく2つのパターンがあります。


■頭がいい人なのに2次試験に合格できない理由(の仮説)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=936
>「設問の指示に的確に答える」のが2次試験の鉄則ですが、そうなっていない回答としては「聞かれた以下のことに答える」パターンと、「聞かれた以上のことに答える」パターンの2つがあると思います。
>周囲から「頭がいい」と言われる人なのに得点できてないとすれば、もしかしたらこういうところに原因があるのではないでしょうか。頭がいいゆえに、期待以上のことに答えてしまう。付加価値をつけようとし過ぎてしまう。




次は、答案の論述について。「因果で書け」とはよく言われますが、それが具体的にどういうことかを考察しています。

■【2次試験】「因果」で書けていない人の3類型
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=1022
>演習や模試において失点してしまった際に、その解答が「上記の3類型で言えばどれなのか?」を振り返っていく。そして、傾向としては特にどの類型に当てはまることが多いかを把握する。そうすれば、改善点が自ずと見えてくるはずです。



何年か2次試験を見てきて、このようなパターンがあるのではないかと気づきました。ある意味、コンサルタントの本質とも言える問題です。

■「よくばり問題」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=554
>「〜しつつ〜する方法」を問う設問。本来なら「こちらを立てればあちらが立たず」の関係(=トレードオフの関係)にある2つのニーズを同時に両立させてしまおうという問題であり、ボクは「よくばり問題」と呼んでいる。
>「よくばり問題」は、コンサルタントとしてとても本質的な設問だと思う。トレードオフのどちらか片方を満たすことなら誰でもできる。たとえば「経営権を維持せずに出資を受け入れる」方法なら誰でも考えつく。「店舗数や面積を増やして売上を拡大する」方なら誰でも考えつく。
>だけど、それでは意味がない。企業が生き残っていくためにどちらも両立させたいと願うから、わざわざ診断士センセーに知恵や知識を求めてくるのだ。顧客企業がどのようなトレードオフ状況にあるのかを理解し、それを乗り越える手段を自分の引き出しから提案していくことが、我々の存在価値の1つなのではないかと思う。そしてその引き出しのベースとなるのが「1次知識」なのだと思う。


これも出題のパターンについての考察です。普段の仕事や生活でも「かみ合わない」を探しましょう。

■【2次試験】「かみ合わない」を見つけよう(前編・後編)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=913
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=914
>一方で、たとえば「本社の勤務者は30人、支社は10人」という情報は、それ単独では問題にはなりません。しかし、これに「本社の売上げは4億円、支社は5億円」という情報が加わったとすると、「あれ、人数と売上げのバランスおかしくない?」という話になります。
>同様に、「A社は創業仲間5人で少数精鋭でやっている」という情報に、「A社は多店舗展開を検討している」という情報が組み合わさると、「じゃあ、店長候補の増強が必要じゃない?」という話になってきます。
>こういうふうに、単独ではおかしくない情報でも、他の情報を組み合わせると不整合が発生する(そして、それが解答で使われる)ということがしばしば見受けられます。


組織・人事事例によくあるタイプの設問。「相手の立場で考える」という、コンサルタントとして必須のスキルが求められている問題といえます。

■『されたらイヤなこと』を探す
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=941
>僕からの最後の一言は「事例1では、『されたらイヤなこと』を探すこと」ですね。
>事例1では、高い頻度で「モラール」系の出題がされています。「モラール(意欲)が低下した理由を述べよ」みたいな。
>社員のモラールが低下したということは、「なにかイヤなことをされた」ということです。
>皆さんであればどんなときにモラールが下がる/下がったでしょうか。最後に洗い出してみてください。


そして、最後にメッセージを兼ねて。

■【2次直前】今、自分にできることは何か
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=774
>僕は困難に直面したとき「今、自分にできることは何か」と自問します。悔やみ、落ち込むしかないのでしょうか。そんなことはありません。きっと、前へ進める選択肢があるはずです。(松井秀喜「不動心」より)


以上、皆様のご武運を祈念していますm(_ _)m

【待ってろ】試験参考書出版のお知らせ【診断士!】

突然ですが、「受験生最後の日」以来、何年かぶりに本を書きました。診断士試験の参考書(勉強術本)です。

お店によってはすでに発売中、そうでないところも順次、10/10ごろまでには店頭に並ぶようです。




試験制度から個別具体的な勉強法まで、診断士試験にまつわる88の質問に回答する形式となっていますが、なんといっても本書のウリは4人の執筆陣。

・おなじみ経営革新の女王こと「まどか先生」!
・受験指導ブログのツートップ、「タキプロ」!
・同じく「一発合格道場」!
・そして私、ペパチェ!(?)

という陣容の厚さとなっております。

もっとも、私だけ診断士試験からしばらく遠ざかっているので(←2006年度合格)、最近の受験生/診断士からしてみたら「誰コイツ?」的な四段オチに見えなくもないですが…(当ブログ初めての方は以下などをご参考までに。受験の体験談やノウハウ・考察記事が多数あります)

1次試験についての考察記事
2次試験についての考察記事

ともかく、本書では1つの質問に対して1〜3名が回答しているので、同じ悩みに対して多様な視点からヒントが得られる点が本書の最大のメリットですね。中には正反対の意見もあったりして、自分にあったアドバイスを探すのも本書の楽しみ方の1つといえます。

そのうちAmazonでも試読できると思いますが、こんなイメージです



(クリックで拡大)

なお、他3名が鋭く素晴らしい回答をされているので、私は主に「変化球担当」として、なるべく斜めな視点からの回答を試みています( ̄∀ ̄)。当ブログの1,000本以上の記事や前著「受験生最後の日などで培ってきたすべてをぶつけていますし、4人で最後ギリギリまで校正・ダメ出しをして、品質向上を図りました。

お値段は2,000円+税とちょっとお高いですが、「女王」「一発道場」「タキプロ」「ぺパ」が長年蓄積してきたノウハウを濃厚つゆだくに凝縮しており、価格に見合った内容にはなってるんじゃないかと自負しております

以上、試験勉強のおともに、あるいは診断士の方も受験生にアドバイスする際の参考として、ご活用いただければ幸いです。

<参考:共著者のブログ/Facebook記事>
これまでにない診断士試験対策本をつくりました!(まどかさん)
準備中(げっちさん@タキプロ)
準備中(ハカセさん@道場)

以上

あなたもTED出演に一歩近づく(かもしれない)「3ステップ発想法」

TED動画をいろいろと観ていると、そのうちいくつかのプレゼンにはある共通点があることが分かります。それは、

(1)常識:「一般には○○だよね」と思われていること
(2)真実:(1)を覆す、意外な発見
(3)根拠:(2)の主張に対する根拠(データやエピソード)

という構造です。

たとえばTEDプレゼンの中でも最高傑作の1つと僕が考える、ダニエル・ピンクの「モチベーションの驚くべき科学」。これは、

(1)常識:モチベーションを上げるには報酬を高めるべき
(2)真実:創造性が必要な仕事においては報酬は逆効果
(3)根拠:(いくつかの実験と事例を提示)



という構造です。また、ジョシュ・カウフマンの「The First 20 Hours」は

(1)常識:何かの道を極めるには10000時間の勉強や練習が必要
(2)真実:20時間あれば「そこそこ」のレベルには、なれる
(3)根拠:(実際にウクレレを20時間練習して実演)



という構造でした。最近観て感銘を受けた、スガタ・ミトラの「クラウド上に学校を」では、

(1)常識:発展途上国やスラムではよい教師に恵まれず教育は期待できない
(2)真実:自主的に学習できる環境を与えたところ、目覚ましい成果があった
(3)根拠:(いくつかの実験と事例を提示)



シーナ・アイエンガーの「選択をしやすくするには」では、

(1)常識:お店での選択肢(品揃え)は多いほどよい
(2)真実:選択肢が多すぎると、逆に判断でできなくなる
(3)根拠:ジャム売場で試食の種類を増やしたところ、売上が下がった



という実験が出てきます。デレク・シヴァーズの「目標は人に言わずにおこう」では、

(1)常識:目標は人に宣言したほうががんばれる
(2)真実:人に宣言した時点で満足してしまうから言わないほうがよい
(3)根拠:「代償行為」という心理学上の概念および実験結果を紹介



まだまだ、こういった構造を持ったプレゼンは枚挙に暇がありません。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

TEDのコンセプトは"Ideas Worth Spreading"ですが「広める価値のあるアイディア」は「常識を覆す、意外性のあるアイディア」と言い換えられるのかもしれません。

「意外性のあるアイディア」「常識とは異なるアイディア」に人は惹かれます。なぜなら人は「間違って覚える」ことを恐れるからです。

人は「知らない」ことはあまり恐れません。人が吸収できる情報にはどうしても限界があるからです。たとえばマーケティングの専門家が宇宙工学について知らなかったところで無理はありません。専門外についても知っているに越したことはありませんが、あらゆる領域について知識を獲得するのは不可能です。

しかし、人は「間違って覚える」ことは避けたいと考えます。限られた脳の容量の中に誤った情報が入っているとすれば、それは容量の無駄遣いですし、誤った情報は誤った結果を生み出します。僕もセミナーなどで「マーケティングにおける5つの誤解」みたいな話をすることがありますが、この手のタイトルはやはり引きがあります。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ところで、この3ステップのうち、(1)の「常識」を見つけることが実は案外難しかったります。なぜなら、「常識」は当たり前であるがゆえに、意識したり深く考えたりする機会をなかなか持てないからです。

たとえば「モチベーションを高めるには報酬が必要」という命題は、一見当たり前すぎるくらいに当たり前であり、改めて疑ってみようとする方も少ないはずです。

「そういえば○○って常識のように思っているけれど、本当にそうなのかな」と、疑いを持つ。そこに立つだけでも一定の努力が求められます。

また、(3)も見落としがちですが重要です。常識に反する内容を伝える以上、納得のいく根拠を添えなければなりません。

たとえば「実はタバコは健康によい」というメッセージは斬新ですが、一般通念とは逆のことを言っているわけですから、その分、筋の通った論理展開や、豊富な実験結果や事例、証言が必要となります。それがなければ、ただ過激なことを言って注目を集めたいだけの売名行為を受け止められかねません。

もっともネット記事や書籍にはその手の「タイトルだけ過激で中身は詭弁」というものも多いのですけれどね。…おっと、この記事もやや大げさなタイトルかもしれませんが(笑)。元々は「TEDに出演する方法」だったのですが、さすがに誇張過ぎる気がして、「一歩近づく方法」というふうにタイトルを改めました。引きは弱いかもしれませんが、詐欺的なタイトルで信頼を失うわけにはいきません。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

というわけで、3ステップで本稿の内容もまとめてみます。

(1)常識:TEDに出演するのは普通の人にはまず無理
(2)真実:たしかに難しいが、糸口はある(=3ステップ発想法)
(3)根拠:多くのTEDプレゼンが「3ステップ」で構成されていることを例示

このように(1)(2)(3)のステップで新しい発見を得て伝えることができれば、みなさんもTEDに呼ばれる日がくるかもしれません。あるいはそこまでいかなくとも、本の出版やセミナー講演のコンテンツとして魅力のあるものができる可能性は高まるはずです。

まずは「常識」(と思い込んでいること)を見つめるところから、はじめてみてはいかがでしょうか。 

 

シンプルさを追求するあまりに誤解や混乱を生むデザイン

昨日、Facebookのタイムラインで、あるやりとりを見かけました。

詳しくは省きますが、そこで使われていた画像です。スマホでAmazonの「最近チェックした商品」をクリックした画面です。



「最近閲覧した商品をオフ」

と書かれた部分にご注目ください。ここの解釈について勘違いが起きていました。

これは「最近閲覧した商品をオフ(非表示にする)」という意味です。ただ、カッコの中が明記されていないため、見方によっては

「最近閲覧した商品をオフ(にしている状態)」

とも取れるのです。真逆です。上の方に商品が並んでいるので、まあ前者だろうとは考えられるのですが、あるいはオフにしていて、最近閲覧した商品以外のものが上に並んでいるとも考えられます。

こうした例はまだあります。



GoodReaderという有名なアプリ(iPhone版)で音楽を流している状態ですが、画面に

"Play 1 track"(1曲だけ再生)

とあります。さて、これは「1曲だけ再生するモードに現在なっているという表示」なのでしょうか。それとも「1曲だけ再生するモードに切り替えるボタン」なのでしょうか。

続いて、私のThinkpadのWifi切替画面。「現在オンになっている」という意味なのでしょうか。「押したらオンにします」という意味なのでしょうか。



iPodやiPhoneのブレイク以降、「シンプルなデザイン」が重視されてきています。シンプルなのはありがたいことです。こんな記事がありましたが、たしかに日本製のテレビのリモコンはボタン多すぎですね。

■「ガラパゴスリモコン」が示す日本のもの作りの限界〜リモコンで飛行機でも飛ばしたいの?
http://blogos.com/article/36470/



一方、サムスンのリモコンは洗練されています。

■<スマートテレビ>サムスンの2012年版リモコンはここまで進化!!
http://www.socialnetworking.jp/?p=104941



しかし、シンプルにするために要素を削ろうとするあまり、本当に伝えなければならないことまで削ってしまうのは本末転倒と考えます。(余談ですが、診断士試験の勉強における文章要約の訓練にも似ていますね。「削るところを間違えると意味が伝わらなくなる」という点で…)

シンプル過ぎてわかりにくいデザインとして、最近はセブンイレブンのコーヒーマシンが話題になりました。「おしゃれ」「わかりにくい」と賛否両論です。しかし、たとえば「R」より「L」のボタンをやや大きくするなど、シンプルさを残したまま分かりやすくする工夫はできそうですが、トップデザイナーの頭の中は、素人の私には計り知れません。

■おや、全国のセブンカフェのようすが・・・
http://togetter.com/li/532088



インターフェース(システムやアプリや機器などの操作画面)を設計する方におかれましては、ぜひ上記のようなデザインの罠に陥ることなく、「シンプルさ」と「誤解や混乱のなさ」を両立したデザインを目指していただきたいと考えるのであります。

 

子供との遊びの中で、仕事力を磨く

「子供は遊びの天才」という言葉がありますが、それはキレイゴトではなく、割と本当の話だったりします。

たとえば、下記の写真。言葉を覚えるために絵と単語の書かれたカードを与えたのですが、それを使って迷路を作りはじめました。



言葉を覚えようとしてくれないのは誠に遺憾ですが(笑)、決まった使い方にとらわれずに新しい遊び方を生み出した点は素晴らしいことです。

「機能的固着」という言葉があります。「絵単語カードは言葉を覚えるために使う」など、「AはBのために使う」という思い込みです。もちろん、その使い方が本来の使い方なのですが、あまりにそれにとらわれ過ぎると、新しい発想を阻害してしまうことがあります。

余談 А峙’重固着」といえば思い出すのがTEDのダニエル・ピンクのプレゼンですね。「モチベーション」がテーマですが、機能的固着によって問題解決が阻害される分かりやすい実験が紹介されています。

余談◆О柄阿△觚修で「レンガの使い道をできるだけたくさん挙げる」というワークを体験したことがあります。最初は「家を作る」「塀を作る」といったありきたりなところから始まりましたが、やがて「文鎮にする」「定規にする」「空手の試割に使う」「投げて飛距離を競う」など、いろいろとユニークなものが出てきました。このワークも、機能的固着を振り払うよいトレーニングになりそうです。




話を戻しますが、子供がそういうふうに遊びはじめた時に、親がどうあるべきかというとやはり

「遮らないこと」

だと思います。自分が期待したように遊ばないからといって怒ったり直させたりするのではなく、それを喜び、発想の自由さを見守ってあげる。

また、

「自分も見習うこと」

も大切ですね。子供に置いていかれないよう、自分もおもちゃの使い方を自由に発想し、遊び方を提案する。

それが子どもとの楽しい時間を増幅することにつながるし、そこで得た柔軟さは、仕事にも活きてくるものと考えます。

 

今度の研究会は「人狼」で頭脳戦・心理戦

僕の研究会(T3)では、診断士としてのスキル向上を目的に様々な企画を実施していますが、今度は研究会メンバーであるF嬢の提案により「人狼」をやることにしました。


F嬢(イメージ)

彼女からその名を聞くまでは存在も知らなかったのですが、ここ数年はスマホアプリやWeb、テレビなどでも流行っているようです。そしてこれが実におもしろい。

ルールは5分で理解できます。詳細は省きますが…

・参加者の一部(たとえば10人中2人)が「人狼」の役になる(ただしゲーム中は正体を伏せる)
・それ以外は「村人」になり、誰が人狼なのかを推理して見抜く
・村人は一定時間ごとに参加者から一人の容疑者を選んで追放する
・また、人狼は一定時間ごとに村人を一人食べることができる
・追放された or 食べられた村人は以後ゲームに参加できない
・また、「占い師」は一定時間ごとに参加者一人の正体を知ることができる

…といった感じです(実際にはルールはいろいろバリエーションあり)。

村人は議論で容疑者1名を決めますが、その中には人狼が村人のふりをして紛れ込んでいるので簡単には議論はまとまりません。また、「占い師」は上記の通り有利な能力を持っていますが、自分が占い師だと主張すればそれだけ人狼に狙われやすくなりますし、人狼が「自分は占い師だ」とウソの主張をする作戦もありますので、簡単には信じてもらえません。

そんなさまざまな駆け引きを積み重ねていくのが「人狼」というゲームです。



この「人狼」、社員研修や、中には社員採用で用いている企業もあるそうです。たしかにゲームを通してたとえば下記のようなスキルが試されます(思いつくまま並べたので重複や抜け漏れもあります)。

論理的思考力:「Aさんを疑っていたBさんが今回食べられてしまったということは、Aさんは人狼なのでは…?」というふうに、論理を積み重ねて答えを導き出すスキル

先読み力:「占いでCさんが人狼だと分かったけれど、今それを主張するとCさんに狙われるかも…?」というふうに、将棋のようにいくつもの手の先を想像するスキル

判断力:ゲーム中は議論の時間が決まっているので、その範囲内で結論を出さなければならない。そういった短時間で精度の高い判断を下すスキル

プレゼン力:自分の意見を分かりやすく説得力を持って伝えるスキル。いくら人狼を見抜いていても、他の参加者にそれを上手く伝えることができなければ信用してもらえません

平常心:人狼がうっかりボロを出してしまい周囲から疑われた場合など、動揺せずにポーカーフェイスを貫こうとする心

ディベート(論破)力:周囲から「あなた人狼でしょ?」と疑われる場面はよくあります。そんな中で「違います。もし私が人狼だったらXXXがXXXになるはずです…だから私は当てはまりません。というか、そう考えると人狼なのはDさんでは?」というふうに論理的に反論し、自分の意見の正しさを認めさせるスキル

創造力:人狼は自由度が高く、議論はどんなふうに進めても構いません。よって、さまざまな作戦が考えられます。また、容疑者を揺さぶる場合にもさまざまな言い方が考えられます。戦略や戦術のアイディアが多彩であれば、それだけ裏を書かれにくくなります。

ちょっと考えただけでも上記の通りいろいろ出てきます。他にもあるかも知れませんので、研究会の中で見極めてみたいと思います。来月のその日が楽しみです。

そして、診断士としては、自分もこれを研修化してみたいですね。たとえば自分がやっているロジカルシンキング研修のコンテンツと融合したらすごく面白くなりそうです。いずれ取り組んでみたいと思います。

 

いつまでも俺のそばにいてほしい、「俺のそば」

先日銀座にオープンした「俺の」シリーズ最新作、「俺のそば」。



大人気です(ランチタイム、店外に15人位の行列)。


ネット上では「美味しい」「安い」「満足なボリューム」「港屋のパクリ」といった感想がよく挙がっていますが、ビジネスの観点から書かれた記事はあまりないようなので、ここで考察してみたいと思います。 「俺のそば」が大ヒットしている理由は、もちろん美味しくて安くて多いからなのですが(「TV放映を記念して」850円前後だったのを500円に値下げしたというあたり、当初は安く売るつもりはなかったのかも知れませんが)、実はこの味/価格/量というのは、今までの蕎麦屋市場ではあまり見ることができなかった存在であります。

特に、(個人的主観かもしれませんが)今までの蕎麦屋における主な不満は「量」でした。ラーメン業界では「二郎」などが先導してボリュームを拡大してきた一方、一般的な蕎麦屋の量的満足度は必ずしも高くなかったと思います。特に「更科」とか「藪蕎麦」といった老舗をについて食べログなどの感想を見てみると、よく見るのが「(美味しいけど)少ない」という声です。

「相変わらず、量はおやつ程度です」
「値段の割に量が少ないのはしょうがないといったところでしょうか」
「蕎麦は裏返した笊に盛られて、量はかなり少なかったです」

(食べログの老舗系に対するレビューより)

胃袋が小さい中高年層であれば満足できるかも知れませんが、(自分のように)ボリューミーなラーメンに鍛えられてきた若者には大盛りや2枚重ねでも物足りなく感じられます。さらに悪いことに「がっつり食べるのは野暮」といった、蕎麦に固有の「粋」思想が、ボリュームの拡大を阻害しているように思います。中高年層が多い今のうちはよいですが、このままでは将来的には「若者の老舗蕎麦離れ」が進む可能性があります。

一方、駅前などには立ち食い蕎麦屋があります。300円前後から盛り蕎麦が用意されているので、500-600円も出せば量的には相当満足できます。しかし、味ではどうしても老舗系や個人経営系にかなわないのと、そもそも「味が単調で飽きやすい」という、蕎麦固有の問題があります(ラーメンであれば具などのバリエーションが多彩ですし、「つじ田」のつけ麺のように途中でスダチや黒胡椒をかけることで味を変える工夫がされています。よって、量が多くても「飽きやすい」という声はあまり聞かれません)。だから、単純に量を増やせばよいというものでもないのです。



味や品質を求めれば価格は高くなる。それは当然の資本主義経済です。しかし、ユニクロのように「高品質・低価格」で既存の市場を大きく揺り動かす存在はいます。そして、「俺のそば」は蕎麦業界にとってのユニクロとなるかもしれません。



「俺のそば」は量も多く、安く、優秀な職人を確保しており味も高水準です。また、辛味のあるスープや、海苔、ゴマ、天カスと生卵のトッピングにより、途中で飽きないよう工夫されています。

私もとても気に入っているので、家の近所にも店ができたらいいなぁと思いますが、
職人の確保が課題となって、急速な拡大は難しいかも知れません。しかし、せめて既存の老舗や立ち食い蕎麦店を脅かす存在となり、業界全体のレベルが上がっていくことを、蕎麦好きとしては願ってやみません。

戦略は50字以内で表現しよう(HBRブログより)

ハーバード・ビジネス・レビューのWebサイトにあるブログに興味深い記事があったので(英語の勉強を兼ねて)訳してみました。 戦略は15単語(日本語にするとせいぜい50字くらい?)で表現できるものにすべきである、とIKEAの事例を紹介しつつ主張されています。

■元記事:"The Art of Crafting a 15-Word Strategy Statement"
http://blogs.hbr.org/2014/02/the-art-of-crafting-a-15-word-strategy-statement/


HBRの1月号において、Roger Martinは戦略策定におけるよくある失敗を避けるためのいくつかのルールを示した。彼の記事「戦略策定における大きな嘘」によると、第一のルールは「戦略はシンプルにまとめること」である。しばしば戦略は長ったらしく、時にはあいまいなものになる。企業の戦略はターゲット顧客や提供価値を1ページにまとめたものでなければならない。

私も強く賛同する。私のコンサルティングでは、この考えをさらに推し進めて「戦略は15単語以内にまとめる」ようにクライアントにお願いしている。そしてそれは、ターゲット顧客や提供価値に加え、さらに以下の2点を明確化するものでなければならない。

1. フォーカス:顧客に提供するもの/しないもの
2. 差別性:提供価値は競合と比べて何が違うのか

これらはシンプルに聞こえる。しかし、実施するのは難しい。15単語という制約は、社内のマネージャー陣のバラバラっぷりを浮き立たせることがあるからである。言いたいことすべてを盛り込んだ100ページの分厚い戦略計画書であれば、組織の誰にとっても文句のない内容となるだろう。しかし、そうすると、マネージャー達は各自の都合のよいようにそれを解釈してしまう。その結果、1つの戦略計画書から多くの異なる戦略が生まれることになる。

すべての優れた戦略は短く要約できる。理解しやすく、内外の関係者に明確に伝えられる。「明確さ」は優良な戦略にとって重要な要素であり、企業はそのために努力しなければならない。

脳神経科学は、この努力への一助となってくれる。複数の研究結果が示すように、明確さの有無は「対比の原則」によるところが大きい。私たちは何かを理解しようするとき、それ単独であるよりも、他の何かと対比したほうが理解しやすくなる。

対比の効果を理解するために、有名なエピソードを語らせてほしい。ある時、ある広告代理店の役員が同僚と公園でランチを食べていた。彼らの近くで、盲目の男がお金をせがんでいた。お金を入れるコップを置き「私は目が見えません」と書いていた。そして、通行人は皆、彼を無視して通り過ぎていた。 その役員は立ち止まり、寄付を増やすためにその文章を変えてあげた。ペンをとり、いくつかの単語を書き足した。そうしたところ、通行人は立ち止まりはじめ、すぐにお金があふれ出した。彼は何を書いたのか? そこには

「春ですね、そして私は目が見えません」
(補足:春がきた喜びと、それを見ることができない悲しさが「対比」されているわけです)



IKEAは明確な戦略を作ることの効果を例示している。多くの人々はIKEAの成功をビジネスモデルのおかげだと言い、またある人はサービスのよさを指摘する。しかし、私に言わせれば、IKEAの成功の大部分は戦略の明確さによるものである。

多くの企業は自社の市場を「自社が提供するもの」を中心に定義しようとする。IKEAの戦略が興味深いのは、IKEAは意図的にコントラスト(対比)をもって提供価値やブランドの独自性を設計した点にある。そこでは、IKEAが提供するものとしないものとが対比されている。

当初は、他の家具業者は、提供価値を絞ったIKEAの戦略をばかげていると考えた。店舗は迷宮の中を進ませるような設計になっており、販売サポートはない。配達もないし組立もない。耐久性についての保証すらもない。IKEAがやったことは、多くの家具安売り業者が持っていた倉庫のような雰囲気を取り払って、明るく創造的な外観や雰囲気を作り出したことであった。そして、限られた提供価値を、楽しさをもたらす多くの要素で包み込んだのである。IKEAはまた、家具以外に日用品や玩具なども取り揃え、また、顧客はIKEAが運営する(明るい雰囲気を持った)託児センターに子供を預けることができる。



このように、IKEAの提供価値は(提供するものとしないものとに)明確にフォーカスされており、競合との差別化が図られている。その結果、消費者にとって、IKEAは明確な提供価値を持った企業として認識され、他社との違いを鋭く浮き立たせている。

この事例(や他の偉大な企業の事例)は、明確な戦略がいかに重要かを強調している。戦略を15単語にまとめることで、あなたの企業は明確さを備え、100ページの戦略計画書の中ではたやすく埋もれていた混乱や不統一感を回避するのに役立つだろう。ぜひ次の機会に実践して、その効果を見極めていただきたい。

By Alessandro Di Fiore: ミラノを拠点とした"European Centre for Strategic Innovation"のCEO。

正しい「こだわり」、誤った「こだわり」


私の好きなビジネス書の1つ「スモールビジネス・マーケティング」では、「こだわり」の重要性が強調されています。

体力で大手企業にかなわない中小企業は、無理に価格競争や品揃えの幅広さなどで対抗するのではなく、自社商品や品質へのこだわりによって高付加価値を追求することが基本路線となります。

ただし、こだわり=「何かに対する強い思い入れ」であるだけに、その方向を誤ると「固執」とか「頑固」といった形で現れてしまうことがあります。

まず、正しいこだわりの例。私の好きな「三ツ矢堂製麺」では、「1038種類の中から選んだ、特級クラスの洋菓子に使う小麦粉を使った麺」を提供しています。実際、ラーメン店を何十〜百軒と食べ歩いた中でもトップクラスの麺です。

当然ながら、来店客はラーメン店に麺やスープの味を求めているわけですから、これは理にかなったこだわりです。「こだわり」の先は常に顧客を向いている必要があります。




一方、たとえば「業界環境やニーズが変化しているのに、自社はあくまで古いやり方にこだわる」といった場合のこだわりは「固執」や「頑固」であり、危うさがあります。なにか戦略的意図があってそうしているのならよいのですが、そうでなければ、一挙にシェアを持っていかれる可能性があります。

ふたたびラーメン店の例。ラーメン店では「味は良いけど店主の接客はひどい」みたいな店をしばしばみかけますが、最近は接客やサービスに力を入れる店も増えてきました。たとえば「つじ田」。味も一流ながら、(行列に並んでいる方に水をサービスするなど)思いやりのある接客・サービスをしています。池袋の「無敵屋」では、夏場の行列待ちの来店客にウチワを貸し出しています。


(つじ田の入り口。右下に給水器)

そういったトレンドの中で、「味さえよければ客は来る」というスタイルにこだわっていたとしたら、競合他店に置いていかれる可能性があります。ラーメン店におけるCSF(主要成功要因)はやはり「味」ですが、競争の激しい業種ですから、今後はサービスに注力して少しでも優位に立とうとする店も増えてくるはずです。

また、極端な例では、経営者が「俺がB型の人間と気が合うからB型の人間しか雇わない」といった妙な「こだわり」を語っているのを見かけることもあります。言うまでもなく、こういったこだわりはもはや「偏執」であり、それが成果に結びつくことは少ないと思われます。仕事において自分の「スタイル」や「価値観」をもつことは大切ですが、それが意味のあるものになっているかは振り返りが必要そうです。

このように、「こだわり」においては、それが正しいこだわりなのか、誤ったこだわりなのかを見極める必要があると考えます。
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