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研修開発における17の鉄則



インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」という書籍を読んでみました。

(※インストラクション=「指導内容」とか「教材」みたいな意味。本書はその設計の方法を説明。)

本書の前半では「インストラクショナルデザインの鉄則」が17個挙げられています。自分なりに考え出したり、上司・先輩から教わって得てきたノウハウと重なる部分はあるものの、本書から新たに得られた気づきも多かったので、ここで共有してみたいと思います。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 


(1)何を教えるのかをはっきりさせる
 ⇒たとえば「ロジカルシンキングを教える」では曖昧でNG。「ロジカルシンキングの構成要素を教える」「フレームワークの使いどころを教える」…などのように具体化していくこと。

 ⇒インストラクションの狙いは、何らかの行動(標的行動)を起こさせること。それらは「?知識の習得」「?技能の習得」「?習得した内容の遂行」のいずれかに分類される。どれを達成したいのかを明確化すること。
 (例:「?QCDの内容を知っている」「?QCDを使って情報整理ができる」「?QCDを実務で使ってみようという意欲を持つ」)

(2)学びにコミットする
 ⇒「理解力のない生徒が悪い」といったように学び手のせいにしたりせず、教える技能の向上やインストラクションの改善に対して真摯であること。

(3)教える理由をはっきりさせる
 ⇒必要性を感じられなければ学習意欲も湧かない。たとえばロジカルシンキングなら「なぜロジカルシンキングを学ぶ必要があるのか」「学ぶとどのようなメリットがあるのか」を明確にすること。

(4)成功の基準をはっきりさせる
 ⇒どうすればそのインストラクションは上手くいったと言えるのか? を明確にすること。
 ⇒本書ではゴールの明確化のため「(理解度を測る)テスト問題を先に作ってみる」ことを薦めている。

(5)標的行動を見せてやらせて確認させる
 ⇒起こしてほしい行動、できてほしい行動の見本を見せる/実践させる
 ⇒「逆上がり」を教える授業なら、教師が実際にお手本を見せて、練習させ、習得を確認する。
 

(6)意味ある標的行動を引き出す
 ⇒たとえばコンピュータのプログラミングを教えるのであれば、実際にプログラミングをさせる演習が必要になる。こういった場合に、理論のみを板書させて終わってしまうようなことは避けたい。板書自体は意味のある標的行動(=プログラミングの習得につながる行動)とは言いにくい。
 インストラクションによって起こそうとしている行動が、本当に意義あるものになっているのかよくよく振り返る必要がある。

(7)引き出した標的行動はすぐに強化する
 ⇒「強化」=学習内容の定着や再現を促す行為のこと。単純な例としては、小学生に足し算を教えて、練習問題が解けたらほめる、など。

(8)正答を教える
 ⇒(当たり前だが)問題を提示したら、正しい答えも提示する。答えそのものではなく、答えに到達するまでのヒントやアプローチを教えることも含む。

(9)誤答を教える
 ⇒例:文法問題における例外ケース(英語の過去形で「-ed」にならない動詞など)
 ⇒また、「ありがちな間違い」「よくある誤解」を教えることは理解を深めるのに役立つ。

(10)(インストラクションの)スペックを明記する
 ⇒つまり「シラバス」「チラシ」を作成すること(それを通して概要や目的などを明確化する)。

(11)学び手を知る
 ⇒ニーズ、性格、スキル、知識量…など。指導内容を設計するうえでは言うまでもなく必須。

(12)学び手は常に正しい
 ⇒「正しい」というのは、常に「理に適っている」という意味。たとえば「飲酒運転を止めさせる指導をしたが、ドライバーが飲酒運転をやめなかった」というのであれば、(たしかにドライバー個人にも問題はあるが)「インストラクションの内容が不適切なので、それに(正しく)従った(=飲酒運転をした)」と考える。

(13)教え手を知る
 ⇒主に「インストラクション設計者≠教え手」の場合。教え手の知識、スキル、性格…などを把握しておく必要がある。

(14)学ばせて、楽しませる
 ⇒「学びがあるけど楽しくない」「楽しいけど学びがない」。どちらか一方に陥らないこと。

(15)個人差に配慮する
 ⇒受講条件を設定する、自由練習の時間を設ける…など
 ⇒例:「Excelのグラフ作成研修」を行うのであれば、「Excelの基礎知識があること」を受講条件にする必要があるかも知れない。また、グラフ作成の作業速度に個人差がありそうであれば、自由練習時間を設けたり、上級者用の演習問題を用意したりといった対応が必要になるかも知れない。

(16)「分かりました」で安心しない
 ⇒理解度を確認したければ「分かりましたか?」以外の質問で確認すること。足し算を理解したことを確認したければ、実際に練習問題を解かせてみる。

(17)改善に役立つ評価をする
 ⇒「評価」≒「理解度テスト」のこと。漠然とテストを作るのではなく、今後のインストラクションプロセスの改善に活かせるようにテスト問題を設計すること。


全てを採り入れるのは難しいと思いますが、この17個の項目について確認して可能な限り採り入れるだけでも、インストラクションの品質はかなり上がると思います。

本書の後半では、この「鉄則」を踏まえて実際のインストラクション設計のステップが述べられています。興味を持たれた方はぜひご一読ください。

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