October 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

接客トークについての一考察 「言葉の省略」


「おタバコは(お吸いになりますか)?」

「コーヒーをご注文の方は(どちらのお客様でしょうか)?」

「はい、こちらの商品で(お決まりですね、かしこまりました)」

「(2番目にお並びのお客様、こちらへ)どうぞ」


最近、小売店や飲食店の接客を見ていて、こういった「言葉の省略」が気になっている。


人間の脳はとてもよくできている。言葉が少しくらい足らなくても、文脈からその内容を推測してしまう。たとえばファミレスの入り口で「おタバコは?」と店員さんが言うとき、その裏には「(お吸いになりますか?)」というフレーズが隠されていることはほとんどの方が気づかれると思う。

(ちなみに、これがコンピュータだったらこうはいかない。コンピュータは圧倒的な計算能力を持っている反面、命令は一字一句間違えずに出してあげなければならない。基本的には、アルファベット1文字足りないだけで期待通りに動いてくれず、そこには人間のような柔軟さはない)


しかし、そのように「省略された言葉」を補完する能力があるゆえに、接客時の言葉は省略されてしまう。

口を動かし、しっかりと言葉を発するのは意外とエネルギーを使う。だから、エネルギーを使わずに同じ内容を伝えられるのであれば、言葉を省略してしまってもよいではないか、というのが彼らの無意識の言い分なのだろうと推察する。


しかし、そういった姿勢は相手に伝わってしまっていると、僕は思う。極端に言えば、言葉を省略することで「あなたにエネルギーをかけたくありませんよ」というメッセージを、暗黙裏に顧客に伝えてしまっているのではないかと思う。

顧客に対して数文字の言葉をかけることを億劫がるような店員に、おもてなしの心は感じられない。店内での購買プロセス全体を通じて自分にエネルギーを割いてくれるとは、とても思えない。つまり、このお店では心地よいサービスは受けられないだろう。この店員さんは、あまりアテにはしないほうがいいな。

多くの来店客は、実はそういうふうに、数文字の言葉から無意識のうちに店員のホスピタリティ・マインドを評価しているのではないだろうか。

コンビニのようにレジを打ってもらうくらいなら別にいいけれど、例えばデパートで服を買うときや人を連れて食事する場合など、ある程度のレベルの接客をしてほしい場合、数文字の言葉を省略する店員としない店員とでは、やはり後者のほうが丁寧さや気配りを期待することができると思う。


ホスピタリティ・マインドを高めていくうえで、サービスの提供者が学ぶべき要素はいろいろとあるだろうけれど、まず入り口としては「数文字の言葉を省略しないこと」。また、それをもって「あなたにエネルギーを割きます」という意思を相手に伝えること。そういうシンプルかつ重要なところから始めていくべきなのではないかと思う。

スポンサーサイト

pagetop