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「本を出したいなら10年、蓄積せよ」と大手出版社の売れっ子編集者は言った

5,6年前に、よくある「書籍の出版を目指そう」的なセミナーに出た時の話。

小学館だったか講談社だったかダイヤモンド社だったか、まあそのあたりの大手出版社のスーパー編集者(10万部単位のベストセラーをいくつも出している方)がゲストに来ていました。

そこでタイトルの「10年蓄積せよ」の発言があったわけです。数万部レベルのヒット作なら「まぐれ」もあるけれど、10万部を超えている書籍には、共通して著者の長年の経験からくる「厚み」があるんだと。



たしかに、一部(宣伝に頼ったものとか)を除いて10万部を超えている本は、中身が濃いというか、著者がその分野で積んできた経験、蓄えてきた血肉を感じるものが多い気がします。

たとえば、ちょうど手元にある、「仮説思考」(内田和成氏)は、たしか何十万部か売れたと思いますが、本のどこをどう切り取っても、理論や事例の中に、著者が戦略コンサルタントとして仮説思考とともに長年切った張ったしてきた迫力を感じます。変にヒネったタイトルの書籍が多い中、わずか4文字のシンプルなタイトルに、ある種の「凄み」すら感じます。


それに比べると、自分の原稿はどうでしょうか。今冬に仕事術系の本を出版することになったのですが、その原稿を書いていて、自分が生きてきた人生の「薄さ」をしみじみと感じております。

本を1冊書くということは、200ページの中に自分の全身全霊を叩き込む行為であり、調子のよいも悪いも、数万におよぶ文字の中では平均化されます。本1冊には、ごまかしようのない「自分」がありのままに出ます。数ページのコラムやブログなら起こりうる「今回は調子が悪かった」という言い訳が、ここではできません。

もちろん「仮説思考」みたいな名著と張り合うつもりもなく、10万部売りたいなどと夢を見ているわけではありませんが、せめて内容だけは「5万部、10万部売れてもおかしくないレベル」を目指したいと考えています。

しかし、「10年の蓄積」と言えるようなものが書けているかどうか。コンサルタントとしては10年以上仕事をしているので、それなりのネタは溜め込んでいるものの、必ずしも濃厚な時間を過ごしてきたわけではなく、ところどころで怠けたり逃げたりしていたなあと。そして、その怠け分のしわ寄せが今になって出てきているなあと思うのです。

全体の半分くらいの原稿を書き終わり、現時点で少なくとも読んでくださった方の「本の代金+読むのに費す時間」を無駄にさせるものにはならないだろうとは自負しているものの、10万部クラスの著者であれば溢れるくらいに持っているのであろう引き出しが、自分の中では枯渇し始めているのを感じております。

あとは、乾いたぞうきんを絞るがごとく自分の経験をさらにほじくり返してエピソードやノウハウを見つけるなり、4か月ほど残された執筆&修正期間と並行してやっているコンサル実務の中で経験を積むなり、(ちょっとずるいですが)研究会メンバーの知恵を借りてネタをいただくなりして、自分を見つけてくださった編集者、そして、発売後に読んでくださる失望させない本に仕上げたいと思います。


そして、次の10年は、もし10年後にまた本を書く機会をいただいたとしても「溢れる引き出し」をもって臨めるように、厚みのある仕事と生活を生きなきゃいけないなと思うのです。
 

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