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いつまでも俺のそばにいてほしい、「俺のそば」

先日銀座にオープンした「俺の」シリーズ最新作、「俺のそば」。



大人気です(ランチタイム、店外に15人位の行列)。


ネット上では「美味しい」「安い」「満足なボリューム」「港屋のパクリ」といった感想がよく挙がっていますが、ビジネスの観点から書かれた記事はあまりないようなので、ここで考察してみたいと思います。 「俺のそば」が大ヒットしている理由は、もちろん美味しくて安くて多いからなのですが(「TV放映を記念して」850円前後だったのを500円に値下げしたというあたり、当初は安く売るつもりはなかったのかも知れませんが)、実はこの味/価格/量というのは、今までの蕎麦屋市場ではあまり見ることができなかった存在であります。

特に、(個人的主観かもしれませんが)今までの蕎麦屋における主な不満は「量」でした。ラーメン業界では「二郎」などが先導してボリュームを拡大してきた一方、一般的な蕎麦屋の量的満足度は必ずしも高くなかったと思います。特に「更科」とか「藪蕎麦」といった老舗をについて食べログなどの感想を見てみると、よく見るのが「(美味しいけど)少ない」という声です。

「相変わらず、量はおやつ程度です」
「値段の割に量が少ないのはしょうがないといったところでしょうか」
「蕎麦は裏返した笊に盛られて、量はかなり少なかったです」

(食べログの老舗系に対するレビューより)

胃袋が小さい中高年層であれば満足できるかも知れませんが、(自分のように)ボリューミーなラーメンに鍛えられてきた若者には大盛りや2枚重ねでも物足りなく感じられます。さらに悪いことに「がっつり食べるのは野暮」といった、蕎麦に固有の「粋」思想が、ボリュームの拡大を阻害しているように思います。中高年層が多い今のうちはよいですが、このままでは将来的には「若者の老舗蕎麦離れ」が進む可能性があります。

一方、駅前などには立ち食い蕎麦屋があります。300円前後から盛り蕎麦が用意されているので、500-600円も出せば量的には相当満足できます。しかし、味ではどうしても老舗系や個人経営系にかなわないのと、そもそも「味が単調で飽きやすい」という、蕎麦固有の問題があります(ラーメンであれば具などのバリエーションが多彩ですし、「つじ田」のつけ麺のように途中でスダチや黒胡椒をかけることで味を変える工夫がされています。よって、量が多くても「飽きやすい」という声はあまり聞かれません)。だから、単純に量を増やせばよいというものでもないのです。



味や品質を求めれば価格は高くなる。それは当然の資本主義経済です。しかし、ユニクロのように「高品質・低価格」で既存の市場を大きく揺り動かす存在はいます。そして、「俺のそば」は蕎麦業界にとってのユニクロとなるかもしれません。



「俺のそば」は量も多く、安く、優秀な職人を確保しており味も高水準です。また、辛味のあるスープや、海苔、ゴマ、天カスと生卵のトッピングにより、途中で飽きないよう工夫されています。

私もとても気に入っているので、家の近所にも店ができたらいいなぁと思いますが、
職人の確保が課題となって、急速な拡大は難しいかも知れません。しかし、せめて既存の老舗や立ち食い蕎麦店を脅かす存在となり、業界全体のレベルが上がっていくことを、蕎麦好きとしては願ってやみません。

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