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戦略は50字以内で表現しよう(HBRブログより)

ハーバード・ビジネス・レビューのWebサイトにあるブログに興味深い記事があったので(英語の勉強を兼ねて)訳してみました。 戦略は15単語(日本語にするとせいぜい50字くらい?)で表現できるものにすべきである、とIKEAの事例を紹介しつつ主張されています。

■元記事:"The Art of Crafting a 15-Word Strategy Statement"
http://blogs.hbr.org/2014/02/the-art-of-crafting-a-15-word-strategy-statement/


HBRの1月号において、Roger Martinは戦略策定におけるよくある失敗を避けるためのいくつかのルールを示した。彼の記事「戦略策定における大きな嘘」によると、第一のルールは「戦略はシンプルにまとめること」である。しばしば戦略は長ったらしく、時にはあいまいなものになる。企業の戦略はターゲット顧客や提供価値を1ページにまとめたものでなければならない。

私も強く賛同する。私のコンサルティングでは、この考えをさらに推し進めて「戦略は15単語以内にまとめる」ようにクライアントにお願いしている。そしてそれは、ターゲット顧客や提供価値に加え、さらに以下の2点を明確化するものでなければならない。

1. フォーカス:顧客に提供するもの/しないもの
2. 差別性:提供価値は競合と比べて何が違うのか

これらはシンプルに聞こえる。しかし、実施するのは難しい。15単語という制約は、社内のマネージャー陣のバラバラっぷりを浮き立たせることがあるからである。言いたいことすべてを盛り込んだ100ページの分厚い戦略計画書であれば、組織の誰にとっても文句のない内容となるだろう。しかし、そうすると、マネージャー達は各自の都合のよいようにそれを解釈してしまう。その結果、1つの戦略計画書から多くの異なる戦略が生まれることになる。

すべての優れた戦略は短く要約できる。理解しやすく、内外の関係者に明確に伝えられる。「明確さ」は優良な戦略にとって重要な要素であり、企業はそのために努力しなければならない。

脳神経科学は、この努力への一助となってくれる。複数の研究結果が示すように、明確さの有無は「対比の原則」によるところが大きい。私たちは何かを理解しようするとき、それ単独であるよりも、他の何かと対比したほうが理解しやすくなる。

対比の効果を理解するために、有名なエピソードを語らせてほしい。ある時、ある広告代理店の役員が同僚と公園でランチを食べていた。彼らの近くで、盲目の男がお金をせがんでいた。お金を入れるコップを置き「私は目が見えません」と書いていた。そして、通行人は皆、彼を無視して通り過ぎていた。 その役員は立ち止まり、寄付を増やすためにその文章を変えてあげた。ペンをとり、いくつかの単語を書き足した。そうしたところ、通行人は立ち止まりはじめ、すぐにお金があふれ出した。彼は何を書いたのか? そこには

「春ですね、そして私は目が見えません」
(補足:春がきた喜びと、それを見ることができない悲しさが「対比」されているわけです)



IKEAは明確な戦略を作ることの効果を例示している。多くの人々はIKEAの成功をビジネスモデルのおかげだと言い、またある人はサービスのよさを指摘する。しかし、私に言わせれば、IKEAの成功の大部分は戦略の明確さによるものである。

多くの企業は自社の市場を「自社が提供するもの」を中心に定義しようとする。IKEAの戦略が興味深いのは、IKEAは意図的にコントラスト(対比)をもって提供価値やブランドの独自性を設計した点にある。そこでは、IKEAが提供するものとしないものとが対比されている。

当初は、他の家具業者は、提供価値を絞ったIKEAの戦略をばかげていると考えた。店舗は迷宮の中を進ませるような設計になっており、販売サポートはない。配達もないし組立もない。耐久性についての保証すらもない。IKEAがやったことは、多くの家具安売り業者が持っていた倉庫のような雰囲気を取り払って、明るく創造的な外観や雰囲気を作り出したことであった。そして、限られた提供価値を、楽しさをもたらす多くの要素で包み込んだのである。IKEAはまた、家具以外に日用品や玩具なども取り揃え、また、顧客はIKEAが運営する(明るい雰囲気を持った)託児センターに子供を預けることができる。



このように、IKEAの提供価値は(提供するものとしないものとに)明確にフォーカスされており、競合との差別化が図られている。その結果、消費者にとって、IKEAは明確な提供価値を持った企業として認識され、他社との違いを鋭く浮き立たせている。

この事例(や他の偉大な企業の事例)は、明確な戦略がいかに重要かを強調している。戦略を15単語にまとめることで、あなたの企業は明確さを備え、100ページの戦略計画書の中ではたやすく埋もれていた混乱や不統一感を回避するのに役立つだろう。ぜひ次の機会に実践して、その効果を見極めていただきたい。

By Alessandro Di Fiore: ミラノを拠点とした"European Centre for Strategic Innovation"のCEO。

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