May 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

マクドナルド低迷の本質的な原因


今年6月にようやく改善の兆しが見えたものの、結局マクドナルドの売上げは13ヶ月連続で前年割れとなりました。

■マクドナルド売上高、14カ月ぶり増 低価格商品拡充で
http://www.asahi.com/business/update/0610/TKY201306100425.html

大西宏氏「マクドナルド一人負けの理由〜敵は外ではなく内だというのが相場」によると、モスバーガーは売上げを維持していますので、業界全体として低迷しているわけではなさそうです。




その原因は新商品の不発、価格戦略の失敗…などといろいろ言われていますが、それらの根底には「顧客経験」発想の欠如、があるのではないかと僕は考えています。

過去の投稿でも顧客経験の考え方をご紹介してきましたが、これは、下図のように一連の流れ=「線」の発想でサービスを考えていくものです。どこか1ヶ所がすばらしかったとしても、他で失敗すれば台無しになりえます。



一方で、マクドナルドの取り組みの多くは「点」の発想であり、近視眼的です。

たとえば「商品を60秒で提供する」というキャンペーンを打ち出したことがあります。迅速なサービス自体はありがたいのですが、そのために商品の見栄えが悪くなってtwitter上で拡散してしまいました。このようにピンポイントな改善に着目しすぎ、後工程にまで想像が及ばなかったわけです。

■【やはり無理があった】マクドナルドの「ENJOY!60秒サービス」が酷い
http://togetter.com/li/433935



また、昨年10月には注文時の対応時間削減のため、メニューを見せないようオペレーションを変えました。そもそも意味がよく分からない策でしたが、買いたかった商品が見当たらずに店員への質問が増える、視力の低い人が困る、といったマイナス作用もあったようです。このように顧客の立場で発想するスキルの低さも、マクドナルドの特徴です。

■マクドナルド、カウンターのメニューが消えた理由
狙いは顧客満足向上、広がる戸惑いの声

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31011_R31C12A0000000/

また、最近では「1000円バーガー」が発表されました。数量限定とのことなので成功するにしても失敗するにしても直接の大きなインパクトはないのかも知れませんが、私はマックに「1000円分の価値」が提供できるのか疑問です。「1000円分の味」は提供できるかもしれませんが、「1000円分のexperience(経験)」は提供できないと思うからです。



セットでは1200円ほどするようですが、もし銀座あたりで1200円のランチを食べれば、それなりに洒落た店内で丁寧な接客が受けられます(ハズレの店もありますが)。また、ホテルのラウンジで1000円のコーヒーを飲めば柔らかいソファに座れて丁寧に接客されてくつろげます。

このように、顧客は商品だけではなく、それをとりまく前後周囲の環境をふまえて商品の価値を期待したり評価したりしています。いくらハンバーガーの味がよかったとしても、低価格高効率のオペレーションに慣れきったマックの店員と店舗にそれらと同等の経験を提供するのはまず不可能です。

このように、「近視眼的で、トータルの顧客経験として設計できていない」「顧客視点で考えるスキルや習慣がない」ことが、マクドナルド社の本質的な問題ではないかとの仮説を持っています。過去のニュースやインタビュー記事を見ても、「新商品」「値下げ」「無料プレゼント」といった言葉が多く、「顧客(視点で考える)」といった言葉が出てくる回数が、他企業に比べてもやたら少ないのです。

(最近は減りましたが)マックの内装が「赤」を基調にしているのは「落ち着きのない色にして回転率を上げるため」という話を聞いたことがありますが、そのようにマックは「客をいかに捌くか」「買わせるか」をひたすらに考えてきた会社であり、そのような歴史的文脈ゆえに「いかに喜ばせるか」「感動させるか」を考えるスキルを組織的に培ってこなかったのかもしれません。



今日掲載されたこちらの記事。今回も突っ込みどころが多いのですが、それはともかくとして原田社長は「(レストランは)ピープルビジネス」という言葉を使っています。それであれば、「顧客」というピープルにもぜひ着目していただきたいところです。

■「今回の業績不振は“計算済み”」マック原田CEO、これまでの誤算と未来を語る(上)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130627/250314/

スポンサーサイト

pagetop