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【2次試験直前】1000本以上の記事から選び抜いた必読のノウハウ記事8選

中小企業診断士2次試験まで、いよいよあと一週間となりました。

ここでは、当ブログで書いてきた1000本以上の記事から2次試験のノウハウに関連したものを絞り、さらに評判やアクセスの高かったものを選び抜いてみました。

前回、出版をご報告した書籍「待ってろ、診断士!」の中でも回答として用いられている内容もあり、同書の雰囲気もつかんでいただけるかと思います。



※申し訳ございません。記事アップ時点では売り切れのようです。もう少しで入荷するようですので、紀伊國屋など他のサイトもご利用いただけると幸いです。

まずは、特にマーケ事例向けのヒントから。与件文には企業の情報が多く埋め込まれているので、ついその先の顧客のことを忘れがちです。

■「クライアンツ・クライアント」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=385
>コンサルティングの仕事で「クライアンツ・クライアント(Client's Client)」という言葉を使うことがある。コンサルティングの直接の対象であるクライアントの、その先の顧客のことを指す。そのクライアンツ・クライアントのニーズを満たさずして、クライアントの収益は見込めない。
>当然と言えば当然のことである。けれど、与件文には事例企業に関する情報が多く載っているから、ついどうしても「顧客の論理」ではなく「企業の論理」で発想してしまうことが(少なくとも自分には)あった。だから、冒頭の自問自答を行うことで、視界が開けたり、見落としていた点に気づけたりしたと思う。


次は、設問の読み取りについて。「設問の指示に素直に従わない」状態とは、大きく2つのパターンがあります。


■頭がいい人なのに2次試験に合格できない理由(の仮説)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=936
>「設問の指示に的確に答える」のが2次試験の鉄則ですが、そうなっていない回答としては「聞かれた以下のことに答える」パターンと、「聞かれた以上のことに答える」パターンの2つがあると思います。
>周囲から「頭がいい」と言われる人なのに得点できてないとすれば、もしかしたらこういうところに原因があるのではないでしょうか。頭がいいゆえに、期待以上のことに答えてしまう。付加価値をつけようとし過ぎてしまう。




次は、答案の論述について。「因果で書け」とはよく言われますが、それが具体的にどういうことかを考察しています。

■【2次試験】「因果」で書けていない人の3類型
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=1022
>演習や模試において失点してしまった際に、その解答が「上記の3類型で言えばどれなのか?」を振り返っていく。そして、傾向としては特にどの類型に当てはまることが多いかを把握する。そうすれば、改善点が自ずと見えてくるはずです。



何年か2次試験を見てきて、このようなパターンがあるのではないかと気づきました。ある意味、コンサルタントの本質とも言える問題です。

■「よくばり問題」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=554
>「〜しつつ〜する方法」を問う設問。本来なら「こちらを立てればあちらが立たず」の関係(=トレードオフの関係)にある2つのニーズを同時に両立させてしまおうという問題であり、ボクは「よくばり問題」と呼んでいる。
>「よくばり問題」は、コンサルタントとしてとても本質的な設問だと思う。トレードオフのどちらか片方を満たすことなら誰でもできる。たとえば「経営権を維持せずに出資を受け入れる」方法なら誰でも考えつく。「店舗数や面積を増やして売上を拡大する」方なら誰でも考えつく。
>だけど、それでは意味がない。企業が生き残っていくためにどちらも両立させたいと願うから、わざわざ診断士センセーに知恵や知識を求めてくるのだ。顧客企業がどのようなトレードオフ状況にあるのかを理解し、それを乗り越える手段を自分の引き出しから提案していくことが、我々の存在価値の1つなのではないかと思う。そしてその引き出しのベースとなるのが「1次知識」なのだと思う。


これも出題のパターンについての考察です。普段の仕事や生活でも「かみ合わない」を探しましょう。

■【2次試験】「かみ合わない」を見つけよう(前編・後編)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=913
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=914
>一方で、たとえば「本社の勤務者は30人、支社は10人」という情報は、それ単独では問題にはなりません。しかし、これに「本社の売上げは4億円、支社は5億円」という情報が加わったとすると、「あれ、人数と売上げのバランスおかしくない?」という話になります。
>同様に、「A社は創業仲間5人で少数精鋭でやっている」という情報に、「A社は多店舗展開を検討している」という情報が組み合わさると、「じゃあ、店長候補の増強が必要じゃない?」という話になってきます。
>こういうふうに、単独ではおかしくない情報でも、他の情報を組み合わせると不整合が発生する(そして、それが解答で使われる)ということがしばしば見受けられます。


組織・人事事例によくあるタイプの設問。「相手の立場で考える」という、コンサルタントとして必須のスキルが求められている問題といえます。

■『されたらイヤなこと』を探す
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=941
>僕からの最後の一言は「事例1では、『されたらイヤなこと』を探すこと」ですね。
>事例1では、高い頻度で「モラール」系の出題がされています。「モラール(意欲)が低下した理由を述べよ」みたいな。
>社員のモラールが低下したということは、「なにかイヤなことをされた」ということです。
>皆さんであればどんなときにモラールが下がる/下がったでしょうか。最後に洗い出してみてください。


そして、最後にメッセージを兼ねて。

■【2次直前】今、自分にできることは何か
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=774
>僕は困難に直面したとき「今、自分にできることは何か」と自問します。悔やみ、落ち込むしかないのでしょうか。そんなことはありません。きっと、前へ進める選択肢があるはずです。(松井秀喜「不動心」より)


以上、皆様のご武運を祈念していますm(_ _)m

【2次試験】「因果」で書けていない人の3類型


診断士試験(2次)の解答は、「因果で書こう」とよく言われます。

では「因果で書けていない」とは具体的にどういう状態なのか。今回はこれを考察してみたいと思います。

「因果」とは、下記のように手段や効果が論理的に繋がっていることです。

(ー蠱福泡諭吻効果1)⇒(8果2)

(仝彊)⇒(結果1)⇒(7覯味押




以下に、因果でつながっている例文を2つ挙げてみます。


○設問:A商店では顧客の離反が増加している。これを解決するための方法を述べよ。

○解答:
 仝従譽好織奪佞悗慮限委譲を推し進めることで
 現場での迅速な判断や柔軟な対応を可能とし、
 8楜卷足度を高める。



○設問:B君がプレゼンで失敗した理由を述べよ。

○解答:
 )榿崛案にコタツで寝たために
 風邪を引いてしまい、
 ベストコンディションで臨むことができなかったため。




場合によっては´↓に続いて「ぁ廖福瓧海通椶慮果や結果)を書くこともあります。ただ、今回は話を単純化するために3要素に留めます。

このように、因果が3つの要素からできているのであれば、このうちいずれかが足りない状態を「因果で書けていない」と表現できると思います。(なお、「コタツで寝たから→虫歯になった」のように、要素が論理的に繋がっていない状態なども考えられますが、ここでは話の対象外とします)

以下に、それぞれが足りないケースを挙げてみます。


■´型(So What型)



 仝従譽好織奪佞悗慮限委譲を推し進めることで
 現場での迅速な判断や柔軟な対応を可能とする。

 )榿崛案にコタツで寝たために
 風邪を引いてしまったため。

 ⇒の結果を最後まで書き切れていないタイプです。そのため「柔軟な現場対応を可能としてどうするの?」「風邪を引いたからどうなの?」…といったように「それで何?(So What?)」とツッコまれてしまいます(言いたいことはある程度伝わってくるので部分点は取れるかも知れませんが)。
 
 また、´△鮟颪い燭薀泪耕椶い辰僂い砲覆辰討靴泙辰拭△箸いΔ里任△譴佇源数を節約する技術を身につける必要がありそうです。


■´7拭箆斥飛躍型)



 仝従譽好織奪佞悗慮限委譲を推し進めることで
 8楜卷足度を高める。

 )榿崛案にコタツで寝たために
 ベストコンディションで臨むことができなかったため。

 ⇒間が抜けているので、論理が飛躍しているように見えるケースです。もっとも、読み手や聴き手に関連知識があれば「あ、コタツで寝たから風邪を引いたんだな」と勝手に脳内で補ってくれます(だから、仕事上ではあまり支障がならないこともあります)。

しかし、試験では減点される恐れがあります(2次試験では数千枚を採点するので、きちんと書けている答案とつい比べてしまうはずです)。


■↓7拭So How型)



 現場での迅速な判断や柔軟な対応を可能とし、
 8楜卷足度を高める。

 風邪を引いてしまい、
 ベストコンディションで臨むことができなかったため。

 ⇒そもそもの具体的手段や理由が書けていません(したがって得点が最も低くなるタイプです)。「それで、どうやるの?」「それでどうやって風邪引いたの?」(How?)というツッコミを受けてしまいます。


「因果で書けていない」とすれば、概ねこのあたりのパターンに分けられるのではないでしょうか。

演習や模試において失点してしまった際に、その解答が「上記の3類型で言えばどれなのか?」を振り返っていく。そして、傾向としては特にどの類型に当てはまることが多いかを把握する。そうすれば、改善点が自ずと見えてくるはずです。

ご自身の弱点発見に、この考え方が参考になれば幸いです。




「再現答案」だけでなく「再現思考プロセス」も作ろう


先週の2次試験を受験された皆様、おつかれさまでした。

すでに再現答案を作成された方もいらっしゃると思いますが、僕からは「再現思考プロセス」について話をしてみようと思います。

「思考」とは、

・与えられた問題に対して
・外から入ってきた情報と
・頭の中にある知識を
・組み合わせて加工(解釈、判断)し
・答えを出す

ことです。



■例(実際はもっと具体的に書いたほうがよいです)
〔簑蝓
 テニススクールB社に適した新規事業を提案せよ

⇒新錣らの情報:
 会員に対して託児サービスを行っている(○段落○行目)
 駅から近い(○段落○行目)
 営業時間が長い(○段落○行目)

Fの中の知識:
 女性の出産後の社会参加や就業希望が増えている

げ湛:
 立地や営業時間の利便性を活かして託児サービスを会員外にも拡張すれば、働く母親のニーズをつかめるのではないか?

ヅえ:
 託児所を提案する


試験の各設問(に限らず思考と呼べるものすべてですが)は、このような枠組みに当てはめられるはずです。

再現答案を作り、受験仲間や予備校の解答例と比較することがあると思いますが、解答に違いがあるとしたらどこで違いが起こったのかを分析していく必要があり、上記のように分けて見ていくと原因が発見しやすくなります。

たとえば

△原因のケース
⇒正解に必要となる情報の選択を誤った。または選択できなかった。

が原因のケース
⇒知識が足りなかった。または知識としては知っていたが頭の中から引き出せなかった。または引き出せたが、その知識はここでは使えないと決めつけてしまった。

い原因のケース
⇒情報や知識の解釈を誤った。論理的に飛躍した。

といったことが考えられます。繰り返しますが、答案の表面的な違いにこだわるのではなく「違いを生んだ違い」にこだわることが肝心です。


人間の思考プロセスは不完全なものです。常に(特に緊張状態においては)合理的な判断ができるとは限りません。

たとえば最近、コンピュータウィルスによる乗っ取り&脅迫と、それによる誤認逮捕が話題となりました。この事件では捜査過程で「250文字の脅迫文を2秒で打ち込んだ」ことが判っています。

当然、人間では不可能な行為なのでこの時点で(ウィルスなどによる)自動入力を疑うべきなのですが、事件解決を焦った警察は、この疑問をスルーしてしまいました。

◆誤認逮捕 事実を包み隠さずに(信濃毎日新聞)
http://www.shinmai.co.jp/news/20121025/KT121024ETI090004000.php

「結論ありき」で思考をしてしまうと、途中にあった違和感や疑問も軽視してしまう。今回の件の警察をかばう気はまったくありませんが、人間にはこういった「思考のクセ」がつきものです。そして、こういったクセが人間にはいろいろとあるのだということを、知っておくべきだと思います。


前述した「再現思考プロセス」において特に振り返ってみていただきたいのは、こういった「思考のクセ」です。単なる「知識不足」が原因で失点したのればそれを補うべく勉強すればよい話なのですが、そうではなく「思いこみ」「決めつけ」といったクセがあるのであれば、それは意識して矯正していかなければなりません。

というわけで、まずは上記の枠組みで、思考プロセスを再現してみる(いきなり全事例全問は大変だと思うので、事例1つとか、気になった問題1つからでもよいと思います)。

そして、できれば、それを他の人と比べてみて、↓い里匹海念磴い出たのかを見出してみる、ということをオススメいたします。

声に出して読みたい過去問


TCMでこんな記事が話題になったことがありました。

知らずに損していたかも…イギリスの学校で教えられている「3つのタイプ別学習法」
http://labaq.com/archives/51732331.html

イギリスのとある学校では「どんな学習方法が頭に入りやすいか」によって3つのタイプに分けているそうです。

1. 視覚タイプ(見て覚える)
2. 聴覚タイプ(聞いて覚える)
3. 運動タイプ(体を動かして覚える)

興味のある方はリンク先のタイプ判定を試し、ご自分がどのタイプに当てはまるか確認してみてください。



このタイプ分けが本当であるとするならば、診断士の試験問題や知識を頭に定着させるアプローチも3タイプある、ということになります。

たとえば「2次試験問題をどう頭と身体に染みこませるか」というテーマを考えるとき、タイプ別には下記のような方法が考えられます。

■1.視覚タイプ:過去問を常に持ち歩いてスキマ時間に読み込む

■2.聴覚タイプ:過去問を音読する。また、それを録音して聴く

■3.運動タイプ:過去問を手で書き写す(つまり「写経」)


このうち2.についてはあまり馴染みがないような気がします。視覚タイプ、つまり過去問を(縮小コピーしたりPDF化して)持ち歩いて読み込んでいるという方はよく見かけます。また、運動タイプ、つまり過去問を写経しているという方も見かけます。しかし、過去問を音読しているという方は(私の知る限り)ほとんど見かけません。

聴覚ベースの学習があまり行われないのは、試験の本番で「聴覚」を使わないことに関連していると考えられます。試験では「問題文を読み、答えを考え、書く」ことをしますから、必要なのは視覚と運動ですが、聴覚はほぼ使いません。だから、視覚および運動ベースの学習が優先されるのだと思われます。

(また、単純に音読すると周囲に迷惑がかかる環境が多いといった理由もあると思われます。たとえば電車内やTACの自習室で音読することはできないでしょう)

しかし、もし「聴覚タイプ」の方が、聴覚を活かした学習をしていないのであれば、それはもったいないことをしているのかも知れません。

斎藤孝氏の「声に出して読みたい日本語」というベストセラーがありましたが、声に出すことで身体に定着するものもあるのではないかと思います。

また、先日TOCfEという技法を学ぶ機会がありましたが、そこでも「音読」の重要性が指摘されていました。詳細は省きますが、問題解決のために整理したシートを作成したら、それを自分で読み上げるのです。たしかに、整理しきれていなかったり、どこかに引っかかりがある場合には、音読していて違和感が残ることがあります。これも「聴覚」の重要性を示す例と言えそうです。


というわけで、「(聴覚タイプの受験生は)音読によって過去問の感覚がより身につくのではないか」という仮説(というよりも思いつきに近いですが)を考えています。

検証も難しいのですが、「自分は聴覚タイプに当てはまる」という方がいましたらぜひ試してみていただければ幸いです。自分はおそらく「視覚タイプ」のようなのですが、過去問の音読をやってみたところ、明らかに目読とは異なる感覚が得られ、なかなか楽しかったです( ̄∀ ̄)

2次試験は400本勝負。


診断士試験の2次試験においては「たった4本の事例で実力を正確に測れるのか」という疑問をお持ちの方がいるかも知れません。僕は、そのような方には以下の話をすることにしています。


A君とB君がじゃんけんで4回勝負をしました。結果、A君が3勝、B君が1勝でした。

さて、A君はじゃんけんが強いと言えるでしょうか?

…おそらく言えませんですね。4回では母数が少なすぎます。A君の3勝も、たまたまかも知れません。


では、400回勝負で、A君が225勝、B君が175勝だったら?

これはA君はやや強いと言えそうです。


話を戻して、2次試験は4本勝負、ではなくて400本勝負だと思っています。事例の数はわずかに4本ですが、1本の事例の中に、細分化すれば「判断を迫られる場面」が軽く100回はあります。


・どの設問から手を付けるか。
・この設問に何分使うか。
・△△という情報を探しに、どの段落から読みにいくか。
・与件の■■という記述を、Aと解釈するか、Bと解釈するか
・与件にあった○○という記述を、解答要素に含めるか否か。

などなど。

80分間はそういった小さな「判断」の積み重ねです。そして、その1つ1つをテキトーにすることなく、「良質な判断」を下していく必要があります。それが「2次試験は400本勝負」だと考える理由です。

母数がそれだけたくさんある以上、受験者の間でわずかな精度の差しかなかったとしても、最終的には合否を分けるような差になっていると考えることもできます。

(ただし、「判断力」以外にも結果を左右する要素はありますので、合否=完全に実力を表すと言い切るつもりはありませんが)


ちなみに、上記の225勝 VS 175勝ですが、両方を25で割ると9勝 VS 7勝になります。つまりA君は16戦中9勝、B君は7勝ということで、「16回勝負をするごとにわずかに1回だけA君の勝ちが多かったに過ぎない」ということが分かります。


これと同じような例が1つあります。なにかの本で見たのですがプロ野球の話。

たとえば「打率2割5分」のバッターは並の選手ですが、「打率3割」のバッターは好打者と評価されます。しかし、


打率2割5分=20打席中、5回ヒット

打率3割=20打席中、6回ヒット 


であり、実は20回のチャンスのうちヒットが1回多いかどうかの差でしかないことが分かります。意外と小さな差の積み重ねが、大きな評価の差を生んでいるということです。





逆に言えば、他の受験者よりわずかに「判断の質」「判断の精度」を上げておくことさえできれば、「何回かに1回はライバルよりも良質な判断が下せる」くらいのレベルになりさえすれば、合格圏はグッと近くなるのではないかと考えられます。


人は合理的に判断・行動する存在とされています。しかし、実際にはそのピュアな判断を遮るものが多くあります。

たとえば1次試験でも出題されたかも知れませんが、人事考課におけるハロー効果。組織での意志決定におけるグループシンク。このように、人間に理性的な判断をさせないジャマモノは多く潜んでいます(だからこそ人間はおもしろいのですが)。

そういったジャマモノから、自分のピュアな判断プロセスをどれだけ守れるか。

TCMでは受講者の日々の「判断」について内省する取り組みを入れる予定ですが(NHKの「コロンビア白熱教室」をご覧になった方は「選択日記」というトレーニング法が出てきたのを覚えていますでしょうか。アレに近いものです)、まず必要なのはどんな「ジャマモノ」がいるのか、その図鑑を持っておくことだと考えます。知らない敵とは戦いようがないわけですから。


とりあえず分かりやすいところでこちらの本↓を紹介しておきます。

先日は502教室のキックオフが終わり、また新しい1年が始まります。やみくもに勉強に取りかかる前にまずは「思考力のOS」を各自の中で育んでいただければ、と思うのです。

メリデメ問題は暗記だけに頼ってはいけない


【1.「暗記100%」ではなくて「暗記70%+思考30%」】

診断士試験の2次試験では、多くの用語について「メリット・デメリット」を抑えておく必要があります。特にOEMのメリデメなど、頻出のものは覚えておきたいところです。

ただし、人間の脳にはキャパがあります(正確には脳のキャパそのものは非常に大きいのですが、そこに詰め込む時間=暗記に使える時間には限りがあります)。

キャパを100としたときに、そこに100の知識を詰め込んでしまっては、その100以外が出題されたときに慌てることになります(また、暗記だけに頼ると、与件文の記述を無視した解答になってしまうリスクも出てきます)。

理想は、知識を入れる量を(たとえば)70にしておいて、残りの30を「メリデメを考え出す思考力」の獲得に注ぐことであると考えます。想定外の出題があったときや、覚えたことをド忘れしてしまったときに、「思考」により答えを導き出すわけです。







【2.「So What」力が得点力&仕事力の決め手】

ここでいう「思考力」とは、外資系コンサルなどが使う言葉で言えば「So What」力のことです。たとえば、OEMのメリデメをド忘れしてしまったとしても、OEMの内容さえ理解していれば答えをある程度導き出すことができます。

例:「依頼元のブランドで売る⇒自社は営業力が少なくて済む」

これができるか否かは、「So What」力の有無が関連しています。


[1]その用語はこのようなもので、このような特徴がある

[2]それゆえこのようなメリット/デメリットがある


この[1]から[2]につなげる矢印が「So What」力です。このように論理的に導き出す力を持っていれば、ド忘れや予想外の出題への対応力も上がってくるはずです。

(そもそも論理的につなげて理解しておけば、丸暗記に比べて記憶の定着もしやすくなります。また、「予想外の出題があっても対応できる」という安心感が得られます)

というか、コンサルティングの実務ではこれがとても大切です。実務では、「OEM」のような用語のメリデメよりも、たとえば「山田専務を社長に昇進させたときのメリット・デメリットは?」といったように個別性が高い(=教科書にない、知識に頼れない)メリデメを考える場面の方がはるかに多いからです。


(練習問題1)
「社外取締役」の特徴を挙げ、それを踏まえてこの制度のメリデメを考えつく限り挙げてください。


(解答例1)
・自社の人間ではない⇒○:より客観的な視点で自社を見ることができる?
・自社の人間ではない⇒×:自社の現場と対立しやすい?
・他社で経営経験がある人材を登用⇒×:コストがかかる?
・基本的に出社日数や時間が少ない⇒×:隙のない監視は難しい?
・などなど…


試験では下記のような解答プロセスになると考えます。
(1)その用語が持つ特徴を挙げ、それゆえのメリット・デメリットを導き出す。
(2)それに準ずる記述が与件文にも書いてあれば高い確率で正答となる。与件文に書いていないものについては、出題者の期待した解答としてふさわしいか検討する必要がある。




【3.「商品特性」問題の対応力も上がる】

なお、メリデメほどには頻出ではありませんが「商品特性」についての出題もありました。世の中に無限にある商品の特性を覚えるのは不可能ですので、メリデメ問題以上にSo What思考力が求められる設問であると言えます。

構造はメリデメと似ています。

[1]その商品はこのようなもので、このような特性がある

[2]それゆえこのような点について留意しなければならない


(練習問題2)「コンサルタント」という商品の商品特性およびそれを踏まえた実務上の留意点を挙げてください


(解答例2)
・報酬が高い⇒きわめて高い品質や成果が求められる
・顧客の重要情報に触れる機会が多い⇒セキュリティに対する高い意識が求められる
・サービス業である(無形性などの特徴がある)⇒サービスマーケティングの知識が求められる
・などなど…


(おまけ)「赤レンガ」の特性を踏まえて、使い道を可能な限り挙げてください



(解答例)
・重くて固い⇒家や塀を作る
・重くて固くて角ばっている⇒武器になる
・重くて立方体⇒文鎮になる
・重いがそこまで重くない⇒キャッチボールして遊ぶ
・立方体⇒線引きに使える
・などなど…


【4.まとめ】

このように、「 [1]、それゆえ[2] 」と論理の箱をつなげていく思考力が、試験(あるいは仕事)のあらゆる部分に求められると思います。

上記のようなトレーニングを通して、「暗記に頼らない応用力」を身につけていただければ幸いです。

トレーニングのしかたが分からない、あるいは1人では続かないという方はTCMにぜひどうぞ。TCMでは「試験と仕事の両方に役立つ、ロジックで考えるメリデメ問題対策」を講義の中で行う予定です。(←宣伝( ̄∀ ̄))。


今年度の2次試験関連エントリーまとめ 2011


2次試験まであと1週間ということで、当ブログにてこの1年間ほどで書いた、2次試験関連のエントリーをまとめておきます(ここ2,3年はビジネスネタを中心に書いていましたので、記事数は少なめです)。

なお、最後に宣伝が入っていますがご容赦ください( ̄∀ ̄)


■頭がいい人なのに2次試験に合格できない理由(の仮説)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=936

■【2次試験】「かみ合わない」を見つけよう(前編)(後編)
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=913
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=914

■与件を読めなければ1億円を失う
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=894

■「事例マシーン」になる方法
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=879


以下は、長期的な取り組みになるので来週には役立たないかも知れませんが、ご参考まで

■TCMメソッド その3「頭の筋トレ・読解力トレーニング」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=917

■TCMメソッド その4「逆要約トレーニング」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=930

■思ったことを口に出さないでいると感受性は凍り付く
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=852

■「複数解釈」とは何か/どう気づけるか
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=847


これらより以前の記事については、ブログを遡って読んでいただければと思います(右下の「CATEGORIES」欄で2次試験関連のカテゴリにアクセスできます)。

それが面倒だという方は下記の電子書籍にまとめられていますので、ぜひご利用ください。価格は300円ですが、おためしで無料で3割ほど読めるようになっています。

中小企業診断士 2次試験攻略のための65のコラム集
http://p.booklog.jp/book/15726




頭がいい人なのに2次試験に合格できない理由(の仮説)


先日、Facebook上で興味深いやりとりがありました。詳しくは書きませんが、「ゲーム機」の話に置き換えると以下のような会話になります。


A「任天堂DSに興味があるのですが、どのような機能があるのか詳しい方教えてください」

B「DSはイマイチですよ。私ならソニーのPSPを薦めますね」


このBさんに対する評価は微妙です。もしかしたらAさんにとってはイマイチなゲーム機を買わなくて済んだということでBさんに感謝するかも知れません。もしかしたら「俺が知りたいのはあくまでDSのことなんだよ」と不快に感じるかも知れません。

もちろんBさんには悪気はありません。親切心でそうアドバイスしたはずです。しかし、1つ確実に言えることは「Bさんは質問に(ちゃんと)答えていない」ということです。

そして、2次試験においてもこのように「先回りしすぎてしまった回答」というパターンがあるのではないかと思います。

「設問の指示に的確に答える」のが2次試験の鉄則ですが、そうなっていない回答としては「聞かれた以下のことに答える」パターンと、「聞かれた以上のことに答える」パターンの2つがあると思います。





まずは「聞かれた以下のことに答える」パターン。たとえば「問題点」を聞いているのに「状況説明」だけで埋まってしまう回答。あるいは「具体的に」と指示しているのに具体的でない回答。このパターンについては、僕が言うまでもなく、あちこちで指摘されていますね。

そして、そういうふうに質問をきちんと捉えられていない方がいる一方で、逆に「捉えすぎてしまう」方もいるのではないかと思います。

冒頭のゲーム機の例のように、「機能」を聞いているのに、機能を通り越してその「評価」を答えてしまっているパターン。試験でいえば、「改善策」を聞いているのに「改善策の実施上の留意点」まで書いているような回答。

周囲から「頭がいい」と言われる人なのに得点できてないとすれば、もしかしたらこういうところに原因があるのではないでしょうか。頭がいいゆえに、期待以上のことに答えてしまう。付加価値をつけようとし過ぎてしまう。

あるいは「気が利く人」も対象かも知れません。気が利くことは非常に大切なのですが、試験の回答において二手も三手も先を読み過ぎてしまうことで出題の意図からかけ離れていくリスクが考えられます。


普段の仕事において

・「質問にちゃんと答えて!」
・「噛み合ってないみたいだから質問を変えよう」
・「いや、そうじゃなくて俺が聞いてるのは…」

といったセリフが上司から出てくる頻度が多い方は、聞かれたことにきちんと答えていない=試験でも同じことをやっている可能性があります。

また、

・「そこまで聞いてない!」

と言われることが多い方は、頭が回転し過ぎて「聞かれた以上のことに答えている」クセがあるのかも知れません。

たとえば、「○○の仕事、終わった?」と聞かれて「遅延の改善策」から延々と語ってしまうような場合ですね。上司がまず知りたいのは「YES」か「NO」か、なわけです。

過ぎたるは及ばざるがごとし。「聞かれた以上」になっていないか、仕事でも試験でも振り返ってみることを推奨いたします。

与件を読めなければ1億円を失う


情報システムを開発する際には「RFP」という文書を作ることがあります。Request For Proposal(提案依頼書)の略であり、「これこれこういうシステムをほしいと思っているので提案してください」と複数のシステム開発会社に対して依頼するものです。通常、それを受け取ったシステム会社数社は提案書を作り、それをコンペで戦わせます。

僕を含む数名のチームでコンサルティングに入っていたある顧客企業で、システム導入が必要になったためRFPを作ったことがありました。予算は約1億円。そして、システム会社4社にそれを送り、提出された4つの提案書を比較評価しました。


通常は提案内容の妥当性とか実現可能性とか、見積やスケジュール、実績などから総合的に評価するわけですが、中に「これは明らかにダメ」という会社がありました。

そこは、こちらの指定した条件のうち、いくつかに回答していませんでした。たとえば「システムは24時間利用できるものにしてほしい」とRFPには書いてあるのに稼働可能時間について言及していなかったり。「システムが完成した後、その使い方の研修をどうやるかについても提案してほしい」と書いてあるのに、そのプランについて言及していなかったり。

そのようなわけで、選ぶ方としては非常に心証が悪くなりました。やはりその会社は真っ先に選考から外されました。

こちらの要求に応えられないのがダメだと言っているのではありません。応えられるのか応えられないのかが書かれていないのがダメなのです。提案内容や見積金額以前に、そもそもこちらとのキャッチボールができていないのです。

これで1億円の受注を逃す。非常にもったいないことです(何かしらの事情があってわざと失注したのなら別ですが)。

ちゃんと読みさえすれば見落とすはずのない「設問要求」をなぜ見落としてしまうのか、不思議でなりませんでした(しかも1人でやっているならともかく、会社である以上、複数名でチェックしているはずなのですが…)。


そういえば先日、TCMの第1回講義がありました。DVD受講を希望された方も数名いらっしゃったのですが「入金後、DVDの送付先をご連絡ください」と案内をしたのにもかかわらず、どういうわけか半分くらいの方が入金報告のみで住所を書き忘れていたというできごとがありました。

住所を書いてない場合、「あれ、もしかして以前もらったメールにでも書いてあるのかな?」と過去メールを調べる手間が発生します。以前教えてもらっているのに再度聞いては失礼ですからね。しかし、どこを見ても書いてないので、結局問い合わせのメールをする。これが数回繰り返されたときにはさすがに「頼むから与件を読んでくれぇぇぇぇ」と吠えたくなりましたね・゚・(ノД`)ウワーン


(毎日ブログで吠えられている鷺山女史の気持ち、ちょっと分かったような気がします…)


2次試験では「与件をよく読もう」「設問の指示を見落とすな」と言われます。もし演習などでうっかりやらかしてしまって減点されたら、今後は「これで1億円の売上げが吹っ飛んだ」くらいの重さで受け止めてみましょう。

与件や設問を見落とすというのは、ビジネスの世界ではそれくらいに重いことになりうるのであります。




【診断士2次】「複数解釈」とは何か/どう気づけるか


先日(8/12)の「事例80分料理法出版記念 502教室夏祭り〜2次試験キックオフ」はtiara女王も書いているとおり、大盛況のうちに終わりました。ご参加・ご試聴いただいた皆様、ありがとうございました。


ちなみに今回は「『夏祭り』なんだから浴衣でしょ?」と女王に命令提案されたので浴衣で参加。




で、当日はパネルディスカッションで受験生の方からの質問にお答えしていたのですが、時間の関係で答えられなかった質問の1つで「複数解釈をどうやるか」というものがありました。

ここではその複数解釈について私見を2点述べてみたいと思います(自分はTACに通ってましたがTACメソッドを正しく身につけているという保証はまったくありません。参考程度に聞いてください)。


(1)「複数解釈」を見抜く以前に、問われたことに答える力がなければ意味がない

「1+1=?」と聞かれて「2」と答えたら「田んぼの『田』だよ〜ん!」というひっかけのなぞなぞ、子供のころに一度は耳にしたことがあると思います。


(問い)「1+1=?」
 ⇒解釈(1)普通の計算問題である可能性
 ⇒解釈(2)ひっかけ問題である可能性


このように考えて、それならば「2 または 田んぼの『田』!」と先に答えてしまえ、というのが複数解釈メソッドのキモです。こう答えておけば、出題者がどちらを想定していたとしても点をとることができます。

しかし、このように複数の解釈を見いだせたところで、それぞれの解釈に的確に答えることができなければ得点にはなりません。つまり、上記の問いに「3 または 『回』!」と答えるようなものです。出題者の意図がどちらであったにせよ得点にはなりません。それだったら、複数解釈はできなくとも「2」とだけ答えられる人のほうがまだ得点をする確率は高いでしょう。


「複数解釈」という言葉は受験生の間では流行語のように飛び交っているので、特にルーキー受験生やTAC以外の方は身につけておかないと落ち着かない気持ちになるかも知れませんが、まずは「1+1=2」という根本の部分、つまり「個々の解釈に的確に答える」力を固めておくことが先決だと思うのです。


(2)「複数解釈」に気づけるかどうかは生活習慣の問題

複数解釈の考え方や重要性については分かったものの、「そもそもどうすれば複数の解釈がありうることに気づけるのか」という質問が出てくると思います。これについても私見を述べてみます。

以前、502教室で「黒い目のきれいな女の子がいる」という記事がありました。これを読んでいただけると、日本語の曖昧さというものが実感できると思います。

このように「複数解釈」は日常のあちこちにころがっています。診断士の試験問題の中だけでのテクニックの話ではありません。

「複数解釈」が日本語の曖昧さに起因している以上、そのセンスを磨くには経験と失敗を重ねていくしかないのかなと思います。パネルディスカッションでも「試験と日常を区別しない」「日常生活の中で試験対応力を伸ばすトレーニング方法を見出すべき」と話しましたが、残り2ヶ月間で「複数解釈を見出す力」を磨くとしたら、試験勉強以外の時間や機会を活用するしかないでしょう。

「黒い目の…」の記事を読むと「そうか、そういう解釈もあったのか〜!」と悔しい思いをされると思います。また、仕事上でも上司の指示の解釈を間違えて「そういうつもりで言ったのではない!」などと怒られてしまった経験は誰にでもあると思います。そういった「痛い思い」を積み重ねていくことで、日本語の複数解釈を疑う習慣がついてくるのだと思います。

繰り返しますが、今から2ヶ月間の間に行う演習問題だけで複数解釈のセンスを身につけるのは不可能に近いと言えます。そうであるならば、日常生活や仕事の中でコミュニケーションを積み重ねて、「複数解釈にまつわる失敗体験」をコレクションしていく。それが、今考え得る最短のルートなのではないかと考えます。

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