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【2次試験】「展開」って何? 「あいまい語」が出てきた際の対処法


診断士の2次試験において、「展開」という言葉が出てくることがあります(例:事業展開、商品展開)」。言葉としては誰でも聞いたことはありますが、ではその意味は? と聞かれると、案外返答に詰まります。

それが解答に影響のない部分であればよいのですが、たとえば設問文で「今後A社はどのような事業展開を採用していくべきか」と聞かれた場合には「展開」の定義をきっちり抑えておく必要があります。

なぜなら「聞かれたことに素直に答える」のがこの試験の鉄則ですが、「聞かれたこと」を構成する単語の意味をすべて分かっていない限り素直に答えようがないからです。

「展開」を辞書で引くとこう書いてあります。


1 広くひろげること。また、広くひろがること。「眼下に―する平野」
2 物事をくりひろげること。「大論争を―する」「華麗なる演技が―される」
3 次の段階に進めること。また、次の段階に進むこと。「行き詰まった交渉の―をはかる」「事件は意外な方向に―した」
4(以下略)


「事業展開」であれば1と3を足したニュアンスでしょうか。たとえば「関東だけで事業をやっていたが新たに関西にも進出する」という場合、1のように「ひろげる」イメージもありますし、また、3のように「次の段階に進」んでいるイメージもあります。「商品展開」も「扱う商品の幅を広げる」ニュアンスで使われることが多いと思います。「多店舗展開」も同様です。




このように、試験で出てきた「あいまい語」は、その定義をきちんと抑えておく必要があります(他にも「体制」とか「スタイル」などが出ています)。定義には唯一のものはないかも知れません(たとえば「戦略」は学者によって定義が異なります)。しかし、少なくとも自分ではこうだという定義を持っておくことで、本番で無駄に悩まずに済みます。

⇒参考記事「definition


ただ、いくら過去問を抑えても、今後また新しい言葉が出てくるかもしれません。そういう場合はどう対処したらよいでしょうか。

それは、上記のように「単語+意味」の組み合わせを蓄積していく、あるいはそのための思考を通して「新しい言葉が出てきても自分で定義をなんとか作れる」センスを磨いていくほかないのではないでしょうか。普段からあいまいな言葉に着目し、その定義を真剣に考える習慣を持っておくことで、本試験であいまいな言葉が出てきた際にも落ち着いて対応できるようになると考えます。


以下に、「自分で定義を考える」ためのヒントを提示してみます。

1. 与件文から探す
 ⇒解答に使えそうな箇所を与件文から探し、そこから定義を固めていくアプローチです。たとえば「B社の商品展開について述べよ」と問われて、与件文に「商品Xの後に商品Yを発売…」といった記述があったとすれば「扱う商品を増やしていくことかな?」と仮説が浮かんできます。

2. 漢字から考える
 ⇒たとえば「展開」には「開」という字があります。ここから「開ける⇒ひろげる」と考えていくことはできそうです。また「展」も「展望」の「展」なので「広く(見渡す)」ニュアンスを感じ取れると思います。

3. その単語を使われる他の場面を考えてみる
 ⇒その言葉が、普段はどのように使われているかを考え、そこから相応しい定義を考えていくアプローチです。

 たとえば「C社は今後、どのような生産体制を採用すべきか」という設問があり「体制」の意味が良く分からなかったとします。
 
 そこで、普段の生活や仕事で「体制」をどのように使っているかなと考えます。たとえば私はシステム開発で「体制図」というものを作り、そこには各メンバーの権限や役割分担が記載していました。なので、「体制=権限関係や役割分担のこと」ではないかと考えていけるわけです。
 
 そして、その定義が他の例でも当てはまるかを検証します。たとえば「55年体制」という言葉がありますが、自民党が与党としての「役割」を担っていた状況を示しますので、「役割分担」という定義で大体合っているなと判断できます(もちろん、最後に辞書を引いて正確な定義を確認することが望ましいです)。


ただし、試験の時間は限られているので、単語1つの意味を考えるのに何分も使うことはできません。上記のような思考プロセスをごく短時間で行っていく必要があります。

そのためには、試験勉強の時間だけ意識しても足りないと考えます。試験勉強と生活や仕事を分け隔てることなく、普段から「言葉の定義を考える習慣」を身に着けておくこと。それによって、試験での瞬発力は養われると考えます(いつも主張している「つま先立ち」の考え方です)。


では最後に練習問題を。ある組織事例で「X社の状況を考慮に入れて」と問われた設問がありました。

では「状況」の定義はどのようなものでしょうか?

上記1,2,3の考え方で定義を作ってみてください。

1. 与件文に「X社の状況」に当てはまりそうな記述があるか?
2. 「状況」を漢字の観点から読み解くと?
3. 他に「状況」が使われる場面は?


【書籍紹介】「判断力」を強くする


診断士試験では「判断力」が求められます。

2次試験は「与件文のどこを根拠にして解答を書くか」「A社は新規事業をやるべきか」といった大小の判断の繰り返しです。1次試験も一見知識問題に見えますが「2択に絞ったうちのどちらにするか」というギリギリの判断が頻繁に求められます。

また、演習や試験の外でも判断力は用います。「どの学校に通おうか」「今日は何の科目を勉強するか」「昨年に科目合格した科目を免除すべきか受験して得点を稼ぐべきか」などなど。

これだけたくさんの判断を繰り返している以上、その人が持つ判断力のわずかな違いが、最終的に大きな結果の差を生むものと考えられます。

では、どうすれば「判断力」は磨けるのか。その一助として紹介したいのがこの書籍です。


「判断力」を強くする - 正しく判断するための14の指針



本書の目次から、著者が考察する「判断ミスをする理由」を紹介してみます。


(01)狭い範囲で考えている
(02)選択肢を絞り込めない
(03)先読みができない
(04)思いこみをしている
(05)目先のことに囚われる
(06)優先順位を間違える
(07)選択肢のデメリット面を見落とす
(08)確率の小さな危険を過剰に恐れる
(09)小さな確率に備えない
(10)臨機応変な判断ができない
(11)因果関係を間違える
(12)単純化しすぎる
(13)過去の経験に囚われる
(14)他人の考えに流される
(15)「疑う力」が不足している
(16)冷静さを失っている


ざっと見ていただくだけでも試験勉強に当てはめられそうな気がしてはきませんでしょうか?

以下に、一部を採り上げてコメントしてみます。


(01)狭い範囲で考えている
 ⇒限られた選択肢しか見ていない状態。たとえば「戦略Aと戦略Bのどちらを採用するか?」と悩んでいたとして、そもそも戦略Cがあったことを見落としているようなケース。ちなみにネタバレになるので詳しくは書きませんが、2次試験では「初年度は戦略A、次年度から戦略Bに切り換え」みたいな解答が求められたことがありました。「AかBか?」と考えているうちは決して書けない解答です(かくいう自分もその罠にハマりました…)。

(02)選択肢を絞り込めない
 ⇒「判断を誤る」というよりは「判断ができない」という状態ですね。もちろん試験では時間内に判断できなければアウトなので、迷ったあげくに「えいやっ」と精度の低い解答を書いてしまうことになります。時間内に選択肢を絞り込めないという方は、情報の整理力や選択肢の評価を素早く行う練習が必要になります。

(03)先読みができない
 ⇒その判断を下した際の影響を読み切れない、ということです。将棋でろくに先を読まずに手を打ってしまうのに似ています。「戦略Aを実行したら現場にはどういう影響がでるだろうか」「競合X社はどう動くだろうか」といったことを考えた上で判断をしないと、思わぬ悪影響のある選択肢を選んでしまいます。

(04)思いこみをしている
 ⇒先日、コンピュータウィルスの誤認逮捕の事件がありました。「犯人はコイツに違いない」と決めつけてしまうことで、その後のどのような情報も都合よく解釈することになります。試験においても「解答はコレに違いない」と決めつけてしまうことで20点分吹っ飛んだという経験は多くの方がされていると思います。

(10)臨機応変な判断ができない
 ⇒「解答プロセスの確立」という言葉をよく耳にしますが、確立させたがゆえにそれに固執してしまうケースが考えられます。新しいタイプの問題や変化球の問題が出たら、その解答プロセスは柔軟に修正する必要があります。

(13)過去の経験に囚われる
 ⇒「自分の普段の仕事ではこうだった」とか「演習や模試ではこうやって上手くいった」というふうに過去の成功(あるいは失敗)体験に影響されてしまうパターン。もちろん状況がまったく同じなのであれば同じやり方が当てはめられますが、少しでも条件や前提が異なるのであればそれを考慮する必要があります。

(14)他人の考えに流される
 ⇒試験は1人で解くものなので他人に影響されることはまずありません。しかし、普段の学習方法などについて、他人の意見に流されることは起こりえます。
 
 受験ノウハウをブログで書いている私が言うのもなんですが、ブログや本に書かれているノウハウは「自分はこうやったら上手くいった」とか「こうやったら上手くいくのではないか」という仮説です。

書き手と読み手がまったく同じような人間であれば、それらをそのまま適用できるかも知れませんが、当然ありえないことです。書いてあることに盲従することなく、両者の差異を踏まえた上で、どのように適用するか(あるいは適用しないか)を判断する必要があります。


以上、興味を持たれた方はぜひご一読ください。

また、言うまでもなく「判断力」は試験勉強以外でも役立つものです。日常や仕事において広くあまねく「判断」は存在しています。「どっちのお客様に営業をかけようか」「どっちの応募者を採用しようか」「イタリアンと中華のどちらにしようか」などなど。

普段からどれだけ1つ1つの判断をピュアなもの(思い込みや見落とし等のないもの)にしようと取り組んでいるか。それが試験本番での判断力の差につながっていくと僕は考えています。普段なにも意識せずして、本番だけ正しい判断ができるようなりたいというのはどだい無理な話です。

以前からお話していることですが「勉強と、仕事・生活を分けない」「日常のあらゆる場面がトレーニングになりうる」というのが僕の考えです。

日常での判断力トレーニングが試験で活きる。試験勉強で培った判断力が日常に活きる。そういう好循環を作り出していくことで、実力はメキメキと高まっていくのではないかと考えています。

新年明けましておめでとうございます(+宣伝3つ)


明けましておめでとうございます。

昨年は当ブログ多くの方にご愛読いただき誠にありがとうございました(どういうわけか昨年は過去最高レベルのアクセス数でした)。今年も少なくとも週1回は更新していきたいと思いますのでお付き合いのほどよろしくお願いいたします m(_ _)m

新年いきなりの投稿が宣伝で申し訳ございませんが、お知らせしたいネタが3つほど出てきましたのでご紹介します。



【宣伝1】受験指導 兼 コンサルタント養成塾"TCM"のご案内(受講者体験記あり)

以前ご紹介した(こちらを参照)TCM (The Consulting Mind)ですが、現在12名の方からお申し込みをいただいており、残り4名となります。「プロフェッショナルとしてのあり方を考えたい」「頭の筋トレをしたい」といった方はぜひご検討ください。

また、昨年の受講生(で合格された方)が体験記を書いてくださいましたので、こちらにリンクを貼らせていただきます。


■診断士と受験生のガチンコ勝負(「はまっちの燃える闘魂診断士」より)
http://ameblo.jp/hama-toukon/entry-11437036421.html

>2次試験にも大きく2つの点でプラスになったと思います。
>‖螳佞魍阿気覆ぅ泪ぅ鵐疋札奪
>意識に頼らず、仕掛けを作る






【宣伝2】月刊「企業診断」の特集「受験生虎の巻」

最新号の「企業診断」は「受験生虎の巻」という特集です。僕も記事を1本書いています。これから診断士試験にチャレンジするという方にとっても、改めて勉強法を見直したいという方にとっても気づきのある内容になっていると思いますので、ぜひご一読ください。


(画像クリックで紹介ページへ)



【宣伝3】新規合格者向け・中小企業政策研究会のご案内

僕が所属している中小企業診断士の研究会、「中小企業政策研究会」が、今年も会員を募集します。

本研究会は、毎月1回の定例会において研究発表および懇親会を行うほか、人数が多いため複数のサブチームを設置し、さまざまなテーマをもって活動しています。私もチームの1つを運営しています(詳しくはこちら)。

1/27の定例会では、登録前の方でも見学を歓迎していますので、昨年合格された方はぜひご参加ください(個人的には定例会およびチーム活動となかなか忙しい研究会なので、ある程度時間をかけて取り組んでくださる方に来ていただけると嬉しいです)。

詳細はこちらにて。1/27の見学の申し込みフォームもリンク先にあります。人数制限があるようですので、お早めにご検討ください。



以上3つ、よろしくお願いいたします。


【TCM】第3期生(2013年1月開講)募集のご案内


開校3年目に入りました、コンサルタント塾"TCM"(The Consulting Mind)の第3期受講生を募集いたします。
⇒すでに受講を決められている方はこちらからお申し込みください。

TCMの詳細はこちらをご覧ください。



簡単に説明すれば「診断士試験の受験指導」ですが、大きく下記のような特色があります。


(1)診断士(合格者)も受講可能
 ⇒試験に合格するための知識やテクニックではなく、ベースとなる「思考力」や「文章力」、コンサルタントになるうえでの「心構え」を身につけることを目的としています。したがって、診断士(合格者)の方も受講可能です。実際、毎年受講者の3割程度の方が診断士(合格者)です。

 ⇒この時期に募集を始めるのは上記の理由によります。「合格のための塾」ではなくて「コンサルタントとしての力をつけるための塾」です。したがって、2次試験に合格できなかったから受講するとか、合格できたから受講しないという考え方は避けていただきたいのです。

 合格しても自分の実力に自信がなければ受けていただきたいと思いますし、合格できなかったけれど本当は実力はあるんだということであれば、受講する必要はありません。あくまで「(合否に関係なく)今の自分の実力は?」という基準で受講をご判断ください。


(2)少人数制
 ⇒講師は私のみ。ディスカッションやディベートなども行いますのでクラスの人数には限界があります。よって、最大で15名までとさせていただいています。

(3)スケジュール
 ⇒1月より10月の毎月1回。第3土曜日の午後に都内(文京区周辺)にて開催しています。

(4)受講生の声
 ⇒こちらをご参考ください。

 ⇒(追加)受講生Fさんの声

過去問や演習をひたすら繰り返す、もうそういう勉強はしたくないなぁと思っていた時に偶然見つけたのが、TCMでした。

TCMでは合格のための勉強、みたいなのをほとんどやりません。あくまで、プロのコンサルタントとして必要なマインド、知識、発信力、コミュニケーション力、を身に着けていくトレーニングを行います。
10か月、地道な振り返りや、宿題を通じて、結果的に「合格する状態の人」になっていたというのが私の感想です。

TCMでは診断士合格者の方も何名か受講されていました。合格者の人は、人の話を聞いて、適切な回答をする人がとても多いです。私はそれができませんでした。その差を認識しながら、「どうすればこういう風になれるだろう?」と考え、自分なりに努力したのも結果につながったと思います。

TCMの学習効果を大きくするのも、小さくするのも自分です。例えば、宿題を1時間で済ますことも、1か月かけることも自由です。自分自身の裁量に委ねられている、ところも私にとってはとても魅力でした。手取り足取り指導してほしい、という人には向いていないかもしれません。



興味をもたれた方はこちらで詳細を確認のうえ、リンク先のフォームよりお申し込みください。なお、昨年は12月末ごろまでに定員に達しています。

開催概要
TCMのメソッド
想定する対象受講者
よくある質問


「誰も見ていないところ」で自律できることがプロフェッショナルの条件


TCMという塾を運営して、受験指導やコンサルタントとしての思考術のみならず、「プロフェッショナリズム」の習得を目指してきました。

プロフェッショナルの定義はさまざまにあってよいと思っています(たとえばTwitterの「ザ・プロフェッショナル」のアカウントでは、さまざまなプロフェッショナル達の定義が紹介されています)。

https://twitter.com/ProfessionalBot

プロフェッショナルのあり方には「唯一の正解」があるものではなく、各自なりに定義や行動規範を定め、それを目指していけばよいと考えています。


ただ、最近は「自律」というキーワードが、頭の中に浮かんでいます。

自律とは自らを律すること。自分をコントロールすることです。「自分をコントロールする」というのは、言い換えれば「誰も見ていないところで正しく動ける」ことです。

人が見ている前で(仕事、勉強などを)がんばることはそれほど難しくありません。あるいは人に指示されてがんばるのはそれほど難しくありません。

難しいのは「誰も見ていない」「誰にも指示されていない」「誰にも責められない」状況で、易きに流れずにいられるかどうかです。


たとえば皆さんがある中学校の校長先生だったとします。

そこでいじめが原因らしき自殺事件が起きました。本来であれば原因究明や遺族への誠実な対応などに迅速に取り組むのが理想ですが、もし組織構造上、「隠蔽してもなんとかごまかせる」状況であったらどうでしょうか。

もう数年無事にやり過ごせば巨額の退職金がもらえるという誘惑がある中で「自分はごまかしたりはしない」と言い切れるでしょうか。

(ちなみに、数年前までであれば実際に隠蔽しごまかせる状況にあったのではないかと想像しています。ところが今回の大津市の件はネットの普及があって、第三者による加害者特定も進むようになった。そして、彼らはその変化に気づいていなかったのだと思われます)

プロフェッショナル=自律という意味において、今回の大津市の件は、教師や教育委員会のプロフェッショナリズムの欠如によって起きたと僕は捉えています。隠蔽してごまかせると考えたから、自律することなくごまかしてしまった。そしてそこにネット上の変化が合わさって今回のような大騒動になってしまったのではないでしょうか。


他の例を挙げます。

「試験に合格するために勉強しなければならない。でもオリンピックでサッカーをやっている。他のみんなも見ているだろうし、ちょっと勉強が遅れているけど、観ちゃってもどうせ誰にも責められるわけじゃないし」

こういう状況で自分をコントロールして机に向かえる。それが「自律」ということです。

まあ、なんでもかんでも我慢する必要もありません(自分もなでしこの決勝戦くらいは見ました)。ですが、仕事や学習に必要な最低限のラインは維持していただきたいわけです。


コンサルタントは、社長さんや現場に厳しいことをお願いしなければならない場面があります。時代の変化を乗り切るために新しいやり方をがんばって身につけなければならない。今までのやり方で続けた方がラクだけれども、ここはグッと耐えてもらわなければならない。

そういう場面においては、その診断士自身がどれだけ「自律」してきたか、「易きに流れても誰にも責められない状況」においていかに踏ん張ってきたか。それが説得力を左右すると思うのです。

易きに流れてばっかりだった人が、迫力をもって社長さんを説得できるとは思えません。今、目の前でやっている勉強や仕事に対する「自律」は、将来こういうコンサルの実務に活きてくるのだと考えます。




TCMメソッド その5「中学受験算数トレーニング」(前編)


2次試験に合格するための本質的な思考力を得るためにはどうしたらよいか。その方法の1つとして「中学受験算数の問題を解くこと」が効果があるのではないかと考えました。

もちろん両者の内容にはかなりの違いがあります。しかし、たとえば下記のような点で共通しています。


(1)論理的に正しい手順を組み立てる力が求められる

財務事例において「解き方を知っている問題」が出れば、その解き方を当てはめるだけです。しかし、そうでない新機軸の問題が出ることもあります(自分の場合は平成18年の財務事例の4問目がそうでした)。

また、新機軸と言えないまでも、暗記した解き方そのままが当てはまらない、変化球が出題されることはよくあります。

そのような状況においては、解き方を知らない以上「論理的に隙のない計算プロセス」を自分で組み立てるしかありません。「これこれこういうアプローチで計算すれば正解が出るはずだ。これのどこにもツッコミどころはない!」と言えるプロセスを組み立てる必要があります。

皆様に1つ質問です。三角形の面積を求める公式は「底辺×高さ÷2」というのは有名ですが、ではなぜそういう公式になるのでしょうか?





…答えは「底辺と高さが同じ四角形の面積を求め、それを半分に切れば面積が求められる」からです。




僕は、難関校の入試問題は、「公式を知らない状態で三角形の面積を求めさせる」ようなものだと考えています。

公式をただ当てはめるのではない。その場で「底辺と高さが同じ四角形の面積を求め、それを対角線で半分に切れば面積が求められる」はずだ、と考えさせることを求めているのです。


もちろん中には「解き方の丸暗記」で対応できる問題を出す学校もあります。しかし、難関校ほど、目新しい問題や応用的な問題に対して、自分で解き方を組み立てられる子供を入学させたいと考えているはずです。実際、難関校の過去問を調べれば調べるほどそういう姿勢が感じられます。

(ちなみに、東大や京大の入試問題も、そういう「本質的な頭のよさ」を問うタイプの問題であるとしばしば評されているようです)


知識や暗記に頼らず、自分で解き方を組み立てる。そういった問題を解くことで、財務事例における柔軟な現場対応力を身につけるトレーニングになるのではないかと考えています。


…長くなったので続きは次回。今回は財務の話が中心でしたが、このトレーニングが財務事例以外にも役立つ(はず)ということを次回は述べたいと思います。


ご興味を持った方は、とある中学の入試問題から例題を1つ出しますのでチャレンジしてみてください。知識は必要ありません。必要なのは論理的に考える力のみです。論理的に正しい解答プロセスを組み立てて、答えを出してみてください。


◆問題:次の(1)(2)に入る数は何か。

A、Bの2人がじゃんけんをします。グーで勝つと10点、チョキで勝つと8点、パーで勝つと5点の得点がそれぞれもらえます。グーで負けると1点、チョキで負けると2点、パーで負けると3点の得点がそれぞれもらえます。また、あいこのときの得点は0点とします。

じゃんけんを2回したときにAの得点がBの得点より4点高くなりました。このとき、Bの得点として考えられるものは、低い方から順に[ (1) ]点、[ (2) ]点です。


TCM第2期生の募集を開始しました


前回ご案内しました、TCM第2期生の募集ですが、申込のフォームを用意しました。

ご希望の方はこちらからお申し込みください。

実は、とある(美女)診断士の方から既に申込が来ており、したがって残席数は14となります( ̄∀ ̄)

※(追記)12/14夜現在、8名の方から申込みがあり、残席数7となっています


質問などにつきましても同じフォームにてお送りいただければお答えいたします。お気軽にどうぞ。

(参考)
・前回の記事:「TCM第2期生の募集について

TCM(The Consulting Mind)ホームページ





…これだけだとさみしいので、晴れて合格された方への参考リンクを載せておきます。過去に自分が口述試験を受ける際に考えた対策です。かなりセコいテクニックですが、ご参考にどうぞ。

ペパチェメソッド《口述版》
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=216




TCM第2期生の募集について


無事に初年度を終えることができたTCM(The Consulting Mind)ですが、そろそろ2期目の募集をはじめていきたいと思います。


■TCMってなに?

⇒昨年立ち上げられた「コンサルタント塾 兼 診断士試験塾」です。こちらがTCMのHPになります(一部内容が古いままですが…)。

1次試験対策はやらない、答練や模試もやらない、など他の学校に比べて扱う範囲は狭いのですが、「コンサルタントとしてのマインドを学ぶ」「思考力と文章力の筋トレに重点を置く」といった部分に重点を置いている点で、大きく異なります。

また、TCMのコンセプトや過去の内容について簡単に説明する動画を作りました。まず1つ目をアップしましたのでご参考ください。




■昨年度の受講者の感想は?

⇒下記をご参考ください。


◇日本語と愚直に向き合う(ほりけんさん)
http://www.horiken.info/archives/2011/11/post-836.html

…昨年の2次試験不合格後、自分に足りないものを具体化し、それをひたすら鍛えるために、「TCM」の扉を叩きました。TCMは独立してコンサルタントをされている方が立ち上げた小さな学校です。そこに飛び込んだ理由は、コンサルタントとして必要な素養を地道に鍛え、その延長で2次試験に合格できる能力を身につけるというコンセプトに共感したからです。受験テクニックにまみれて視野狭窄に陥っていた僕にとって最適な学校でした。

TCMで学んだことはものすごくたくさんあります。
その中でも僕自身にとってすごく良かったのは「愚直に日本語に向きあう癖がついたこと」だと思います。(以下リンク先参照)


◇TCMで学んだプロフェッショナルとしての自覚(みやさん)
http://ameblo.jp/11miya/entry-11073814341.html

…私は今年TACと同時にTCMにも通いました。
TCMはペパチェさんが立ち上げたコンサルタント養成スクールです。

私は第一回でかなりの衝撃を受けました。
プロフェッショナルの定義を考えてくださいという問いに対して、
私は「専門能力を持ちお金をもらう人」と回答しました。

その定義でいうと私も一応プロフェッショナルと言うことになりますしそう思っていました。
しかし、数々の説明のうちに自分の甘さを思い知りました。(以下リンク先参照)


■TCMのメソッドとは?

⇒後日、説明用の動画をアップしますが、こちらのブログ記事にも(一部)書いていますのでご参照ください。試験攻略のテクニックというよりは、根本的な「思考力・文章力」の向上を目的としたものが中心となっています。

・TCMメソッド その1「文章チェックリストメソッド」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=903

・TCMメソッド その2「人生の課題管理メソッド」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=904

・TCMメソッド その3「頭の筋トレ・読解力トレーニング」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=917

・TCMメソッド その4「逆要約トレーニング」
http://redwing-don.jugem.jp/?eid=930


■どんな人が通えばいいの?

⇒大きくは2つあります。

(1)「コンサルタントとしてのマインドを学びたい人」
(2)「思考力と文章力の筋トレをしたい人」

です。

診断士、コンサルタントとしてどのような「心がまえ」を持つべきなのかを考えること。および思考力・文章力といった「地の力」「ベースの力」を高めることを目的としています。したがって、受験生にとっても合格者・診断士の方にとっても役に立つカリキュラムとなっています(昨年度は全受講生の約4割の方が合格者・診断士でした)。

もうすぐ合格発表がありますが、「合格したから通わない」とか「合格できなかったから通う」という判断はしないでいただきたいと思います。合否に関係なく、あくまで「この内容が今の自分に必要か」どうかという判断でお選びいただきたいと思います。(だからこそ、このタイミングでご案内しています)


■金額やスケジュール、申込方法は?

・スケジュール:月1回(毎月第3土曜日の午後。初回は来年1/21)×10ヶ月間

・受講料:全10回で受講料は25,000円(税込)です。基本的には全出席をお願いしますが、やむなく欠席された場合には講義音声のデータを提供します。また、2回ほど集中合宿を予定していますのでこちらも(受講料無料。宿泊料などの実費のみ)

・定員:15名(指導品質維持のため、この人数に限定させていただきます)

・申込方法:後ほど申込用のフォームをご案内します。

・場所:都内


立ち上げ2年目の塾であり、まだまだ未熟な点もありますが、「他のどこもやっていないこと」かつ「効果のあること」の両立を目指した内容にしていきたいと思います。

僕は別に昔からのAppleファンというわけではありませんが、AppleのCMの「Think Different」というフレーズが好きでした。常に他とは違ったことを考える。CMを目にして以来、それは自分の信念に近いものになっていたと思います。TCMも、その信念のもとデザインしています。

スティーブ・ジョブスが「電話を再発明(Re-Invent)」したように、僕も小さくながらも「受験勉強を再発明」していきたいと思っています。

コンサルタントとしてのマインドを学びたい方、頭の筋トレをしたい方のご参加を、ぜひお待ちしています。

TCMメソッド その4「逆要約トレーニング」


他の受験校が2次試験の「練習試合」(答練や模試)をさせてくれる存在であるとするならば、TCMは「筋トレジム」的な存在にしたいと考えている。

今年1月の立ち上げから8ヶ月。いくつかのトレーニング方法を編み出してきたけれど、それらはすべて「地味だけど効く」性質を持つ。答練や模試に比べたら華やかさはない。けれど、着実に思考力の基盤を鍛える。

今回の「逆要約」もそういうタイプのトレーニングになる。

今回、以下にやり方を説明してみます(長いので「2次試験の筋トレ」に興味関心のある方のみお読みください。また、このやり方を押しつけるものでもありません)


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

たとえば「山田君は17才です」という情報があったとする。

ここからは、たとえば「山田君は飲酒・喫煙はできない」という情報や「山田君は高校生かも知れない」という情報が導き出せる(ちなみに前者は確定情報であり、後者は不確定情報である)。

このように、ある情報を与えられて「そこから何が言えるか?(So What?)」を考えていく。

このトレーニングを2次試験の与件文で行う(1つの情報を2つ3つと膨らませていくので「逆要約」という名前をつけた)。答案の方向性や受験校の解答例などに関係なく、1文ごとに「そこから言えること」を考えてひたすら記述していく。

よく「与件から根拠が見つからない」という嘆きが聞かれるけれど、与件から多くの情報を論理的に導き出せれば、それだけ根拠に使える持ち札も増えてくるはずである。「逆要約」は、そのための「与件増殖力」を磨く。


たとえば、

「歴代の代表取締役社長は親会社からの転籍者であり、これまでの平均在任期間は2期4年である」

という記述があったとすれば、

・子会社のプロパー社員は社長になれない⇒モチベーション低下?
・長期政権ではない⇒組織の硬直化はしにくい?
・4年を超える長期的な戦略は実行しにくい?

などなど…といった感じになる。


「与件の記述から別の情報を類推する」という行為自体は目新しいものではない。実際には試験問題を解く中で幾度となく呼び出されるプロセスである。ただ、このトレーニングはそれにフォーカスして反復的に行うことに特徴がある。

サッカーに例えるなら、PKが上手くなりたいのであれば試合の中でPKの機会を待っているだけではダメで、普段の練習においてPKだけを反復練習する必要がある。それと同じである。

また、導き出される情報は玉石混合になるかも知れないが、視点の多様さを身につけるため、まずは「量」を追求する(だから、できれば仲間数人でやったほうがよい)。解答作成につながるための良質な情報を導き出すことも大切だけれども、「そういう発想もあるのか!」という気づきを積み重ねることが、より大きな目的になる。


言うまでもなく、このスキルは普段の実務においても意味を持つ。ある情報を入手したとして、それが何を示唆しているのかを解釈できなければ、ただの情報屋・データ魔になってしまう。集めた情報やデータに価値を付加するためには、(言い換えればコンサルタントとしての仕事を果たすためには、)このような思考力を磨いていく必要がある。


実際に取り組んだ方からは「こんなに与件文を深く読んだことはなかった」「何度も解いた過去問なのに、新しい気づきがあった」などの声を頂いている。

このトレーニングを繰り返すことで、より短時間で深く与件文を読む力、与件から新しく情報を引き出す力がついてくるはずである(まだ検証段階なので絶対にとは言いませんが)。

TCMメソッド その3「頭の筋トレ・読解力トレーニング」


先月からTCMでは「読解力トレーニング」というものを始めています。

これも他のメソッドと同様にシンプルなもので、「一定の文章(一部の接続詞が抜かれているもの)を提示し、そこに入る接続詞を考える」というものです。受験の現代文などで経験のある方もいらっしゃるかも知れません。

たとえば、下の(   )に入る接続詞を考えてみてください。


「ネコは本来、警戒心の強い生き物です。この警戒心とは、敵の気配を察したらすぐに逃げられるように、つまりネコが自分の身を守るために持っている本能です。(   )、心から安心できる環境にいるネコは、幸か不幸かこの能力を使わずにすんでいるのです。」


ここに入る接続詞を特定するためには、前後の内容とその関係性をきちんと理解しなければなりません。こういったトレーニングを通して、

(1)文章の内容を的確につかむ力を磨く
(2)接続詞のセンスを磨くことで読解のスピードを高める
(3)接続詞を適切に使うことで、筋道の通った分かりやすい文章を書けるようにする

といったことを目的としています。また、「なぜ、その接続語を選んだのか」を考え伝えるプロセスを通して、

(4)論理的に説明する力を磨く

こともねらいとしています。

「なんとなく」で接続詞を入れることはできると思います。しかし、「これこれこういう理由で○○が入る」と言語化し説明するのは意外と難しいのです。

2次試験では「うまく説明できない」ことが原因で失点することがあると思います。「そもそも答えの見当すらつかなかった」というのならまだしも、「なんとなく違和感を持っていたが表現できなかった」というタイプの失点はもったいないと言えます。


地味なトレーニングであり、事例演習に比べたら楽しくないかも知れません。しかし、それはスポーツに例えるなら「基礎トレ」と「実際のゲーム」のような関係であり、土台の実力無くしてゲームで勝つことはできないと考えています。

事例問題を何十問も解いているのに成果に結びついていないというのであれば、もしかしたら根本的な「読む力」「表現する力」が足りていないのかも知れません。

TCMではそういう仮説に立って、このような「頭の筋トレ」をしています。

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